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ビザ/永住権を取るためには、義務づけられている健康診断を受ける必要があります。日本でビザをとる場合は、日本にある大使館指定病院、アメリカで永住権をとる場合は、アメリカにある移民局指定病院(州によって違います)で健康診断を受けます。予防接種に関しては、ちゃんと証明書があれば、どこで打ったものでも使えるようです。
OF-157(Medical Examination; 健康診断書)が大使館から送られてきたら、大使館に指定されている指定病院に予約を入れます。指定病院は、東京に3つ、神戸に1つ、沖縄に1つの計5つしかありませんので、地方によっては、かなり遠いところまで出向くことになります。
病院には健康診断と、結果を受け取りに、合計2回出向くことになります。どの病院も何だか遠くにあるような場合は(最終的には東京のアメリカ大使館に面接に行かねばなりませんので)、東京にある指定病院で診断を受けるようにして、スケジュール調節をうまくすると旅費が浮きます。また、予約の融通が利き、予防接種が早く終わるのは、東京ブリティッシュクリニックになります。
東京ブリティッシュクリニック
東京都渋谷区恵比寿西2-13-7 代官山Yビルディング2F
(03) 5458-6099聖母病院
東京都新宿区中落合5-1
(03) 3951-1111神戸海星病院
兵庫県神戸市灘区篠原北町3-11-15
(078) 871-5201東京メディカル・エンド・サージカル・クリニック
〒105-0011
東京都港区芝公園3-4-30
第32森ビル2F
(03) 3432-5181アドベンチストメディカルセンター
沖縄県西原町幸地868
(098) 946-2833
また、大使館で受け取る書式がないと健康診断は受けられませんので、先に健康診断だけ受ける……と言うのはできません。健康診断用の書類をもらってからになります。
健康診断に関しては、指定病院から指示された予約日に病院に出向き、健康診断を受けるだけです。内容は、尿検査(ないところもあります)、血液検査(HIV検査含む)、レントゲン撮影、触診&問診、予防接種です。妊婦の場合は申し出ると、レントゲン撮影と予防接種が免除になります。これなしでもちゃんとビザが下りますのでご心配なく。
健康診断で「服を脱がないといけないの?イヤだ!」という投稿をかなりたくさんお見受けしますので、ちょっと追加説明です。
聖母病院では、ショーツ以外は全て脱いでくださいと言われることが多いようで、私もそうでしたがパンツ一枚以外は全て脱ぎました(ブラもストッキングも)。東京ブリティッシュクリニックでは、下着以外を脱いでくださいと言われるようです。この場合は、ブラ、ショーツ、ストッキングなどは着けていてもよいそうですよ。他の病院は報告が少ないのでちょっとよく分かりませんが、やはり服は脱ぐことになると思います。また、もちろん男性が診断を受けるときも、同様にパンツ一枚になって触診があります。決して女性だから脱がされるわけではありません。
病院慣れしている人は、これは当然のことだと思って別に不思議に思わないと思うのですが、掲示板を読んでいると、あまり病院で健康診断を受けていない人が多いのか、この「裸になる」にかなり抵抗がある人が多いのに気が付きました。下着以外脱いでもらうのは、病気の中には、皮膚に症状として病変がでる場合もあるからで、それを確認するためだそうです。「裸になる必要性はあるのか?」とお怒りの人もいるようですが、病院で、皮膚に病変が発生する病気についてもチェックしてもらうのですから仕方がありません。
車を修理に出すのに「エンジンフードは開けないでください!イヤです!」と言われても、メカニックの人も困ってしまいます。そう思って、医者も仕事なんだから、好きで見ようと思って脱がせるわけではない、と思って割り切りましょう。
また、「触られる」というのに腹を立てている人も多いようですが、医師は内科の診断では、必ず触診をします。触診とは、医師が手で体を押したりして内臓の様子を診ているわけで、そうやって病気がないかをチェックしているのです。別にいやらしい意味で触っているわけでもないですし、胸をもんだり性器に手を入れたりもありません(乳がん検診や子宮ガン検診ではそういうのもありますけど、ビザの健康診断ではその手の検査はないです)。
昔の天皇でしたら「高貴な人のため触れないから、触らないで診断する」という扱いをしてもらえたのかもしれませんけど、現代の一般民ですから、健康診断に必要なことはしないといけないと思います。
と、こういうことを踏まえまして、健康診断には見られて恥ずかしくなるような下着は付けていかないこと、脱ぎ着のしやすいものを着ていくようにしましょう(蛇足ですが、私は不幸にもかなり病院慣れしているので、病院に行くときはシンプルな下着を着けていくのが常識かと思っておりました……ので、こういったことに不満を持っている人が多いというのを知って却って驚きました。)。
予防接種では、病院によって打つものが多少違うそうですが、18〜64歳の日本人ならば、最大で、おたふく風邪、はしか、風疹の三種と、破傷風とジフテリアの二種、水痘の6種類の接種を打つことになるらしいです。
例ですが、東京ブリティッシュクリニックではおたふく風邪、はしか、風疹は最初の一回しか打ちません。破傷風とジフテリアは免除になり、水痘は口頭でかかったことがあることを申し出ると免除になります。つまり、一日で全て済みます。逆に、神戸の海星病院では破傷風とジフテリアは一本づつ別々に間を開けて2回打ち、おたふく風邪、はしか、風疹も一本づつ、1ヵ月づつ間を空けて打ちます。つまり、最後まで打つと3〜4ヵ月かかることになります。
また、事前に予想されるこれらの予防接種を受けている場合、その接種記録があれば予防接種は免除されます。指定病院に健康診断に出向くときは、接種を受けた病院でもらった証明書(接種の内容と日付がはっきりと明記されていれば通用します。アメリカの病院で受けていても問題ありません)を持参してください。それから「母子手帳(自分が赤ちゃんだったときのもの)」があり、そこに破傷風とジフテリアの接種を受けたことがあることが書かれているならば、それも持参してください。(この場合、この二つは免除になるそうですので、母子手帳がある方はとりあえず持参するといいでしょう)
また、指定病院が発行した証明書以外は大使館では無効になりますので、ご注意を。必ず、接種の記録を指定病院に持っていって医師に相談して下さい。
費用は、どの予防接種を受けるかによって変わってきます。全部受けることになると6万円以上になります。会計のときに慌てないように、余裕を持って用意していくようにしましょう。
また、予防接種の際に、「妊娠していますか?」「妊娠の可能性がありますか?」「最終生理日はいつですか?」という質問がある場合もあると思います。これは、妊娠している人は予防接種を受けることが出来ないからです。病院の方でも、この接種のためにお腹にいる胎児に悪影響を与えると困りますので、可能性があるかどうかも聞いてくると思います。
で「全く100%妊娠の可能性はない(子供ができる行為を最終生理以来やっていないとか、ピルで完全に避妊しているとか)」という人以外は、可能性と言われれば、ないわけじゃない……ということになると思います。その場合は、接種を受けるかどうかは患者本人の決断になります。その際、自分の意思で受けました、という書類にサインをすることになる場合もあります。
看護婦さんに聞かれてから「えー、そんなこと言われてもー、こまるー、どうしよう〜」などとその場でぐずぐずしないように、事前に接種についてはしっかり考えておきましょうね。また、最終生理日もきちんと把握して、すぐに伝えられるように準備しておきましょう。
妊娠している可能性があると申し出ると、予防接種は免除になります。また、健康診断の書類には「妊娠のため免除」と書かれますから、予防接種を受けていないからビザが下りない、ということはありませんし、予防接種を免除にしてもらったあと、妊娠していないことが分かった場合でも、接種を追加で受けなくてもビザは取得できます。
でも、抗体というのは徐々に消えていくものだそうですから、こういう機会に接種を受けておくと、後々安心だと思います。また、接種を受けたあとは、しばらく妊娠はしないように注意しましょう。
また、病院によっては、健康診断の結果を宅配便などで郵送してくれます。このサービスを頼めば、もう一度病院に足を運ぶ必要はありません。病院によっても違いますが、健康診断の結果は4日〜2週間くらい後になります。
ビザの為の身体検査(検診)については,米国の政府機関であるNational Center For Infectious DiseasesのDivision of QuarantineからTechnical Instructions for Medical Examinations of Aliensと題して、ビザ検診を担当する医師向けのガイドラインがあり、ダウンロードすると閲覧可能です。これは医学の知識がなければ読むのが大変だそうですが。
診察で医師が診ているのは一般的な健康状態だそうです。移民局が問題にするのは,アメリカの一般市民、納税者の負担になるおそれのある精神病と伝染病なので、検診担当医は精神病を疑わせるような言動の有無や、梅毒等のいわゆる性病を疑わせるような皮膚の病変などが無いかどうかを簡単にチェックしているのだと考えるといいそうです。心身ともに普通に元気な人は心配いりませんし、過去の手術や病歴についても、現在治癒しているのならば特に心配いらないと思われます。
現在持病がある方の場合ですが、もちろんこれは病気にもよると思いますが、症状や落ち着いていて、日常生活に何も支障がない状態でしたら、ビザ自体には大きな影響はないと思われるそうですが、検診時に医師による問診で病気について問われる可能性はあります。心配な場合はその場合に備えて、前もって主治医に相談し、現在の病状について『治療により症状や検査成績が落ち着いており、日常生活には支障のない状態である』という趣旨の診断書を発行してもらっておくといいそうです。
東京聖母病院では、エイズ検査(HIVウィルス検査)の結果は、どのような結果が出ても直接大使館の方に知らされるので、不安がある方は事前に他の場所で検査をするように言われました。東京ブリティッシュクリニックでは血液検査の結果は、検診結果(診断書)が予定通りの日に出来ていれば、血液検査にも異常が無かったと考えてよいと同クリニックの看護婦さんがおっしゃっているそうです。
また、普通HIVが陽性の場合は、ビザが下りない理由になる場合があるそうです。健康診断を受けた病院でも、そういう注意を聞くと思います。ただ、アメリカ市民の配偶者の場合は、HIVが陽性でも永住権が下りる場合もあるそうです。
移民のプロセスで医学的に問題になるのは、主に伝染病、精神病、薬物中毒、アルコール中毒、犯罪傾向等だそうです。病気の為に、近い将来あなたが高度の身体障害者になることが予想されるほど深刻なものでない限り、あまり心配はいらないそうです。特に婚姻ベースの場合は配偶者というスポンサーがいるので、多少何かがあってもその配偶者が世話をすることを宣誓しているので、ビザの発給を領事が許可する可能性は高いそうです。
■ビザのための予防接種について詳しく知りたい方に。(豆知識)
大使館からもらった説明書にはたくさんのワクチンの名前があったのになぜ最大6種なのか?とか、何で病院によって打つものが違ったりするのか?とか、まとめて打っても大丈夫なのか?というようなご質問が時々ありますのでちょっと解説。
◆ 予防接種は、年齢によって接種する数がかなり違うようです。必要とされているは、おたふくかぜ、はしか、ふうしん、ポリオ(小児麻痺)、破傷風およびジフテリア、トキソイド、百日咳、B型流行性感冒、B型肝炎、水疱、肺炎球菌、および流行性感冒です。上に書いたTechnical Instructions for Medical Examinations of Aliensの中にも、年齢に応じた手必要な予防接種の一覧を示しているところがあるそうです。また、ロンドンにある米国大使館のサイトからもダウンロードできます(こちらの方が見やすいと思います)。
しかし、ここまで全部打つことはめったにありません。日本人で18歳から64歳までの年齢の人にとって必要なのは、Mumps=流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)、Measles=麻疹(はしか)、Rubella =風疹(三日はしか)、Tetanus and diphtheria toxoids=破傷風ならびにジフテリア、Varicella (chicken pox) =水痘(みずぼうそう)に限られています。つまりこの年齢の人は記録があろうが無かろうが、上記以外のポリオやB型肝炎、インフルエンザ等の予防接種は初めから無視してよいそうです。
では、なぜ病院によって破傷風とジフテリアが必要だったり免除だったりするのか?ということについては、こういう見解の違いが病院の医師の間にあるからだと考えられます。
破傷風とジフテリアは、アメリカではTdと呼ばれる成人用の二種混合の不活化ワクチンを打つそうで、ガイドラインにもそのワクチンを打つように。という指導があるそうなんですが、日本の病院ではこのTdのワクチンは使用できないそうです。つまり、日本国内ではガイドラインに書かれている通りには打てないわけです。そのため、例えば東京ブリティッシュクリニックでは「日本ではTdが使えないため」という理由で免除にしています。しかし、例えば海星病院では「Tdはないが、結果として破傷風とジフテリアの予防接種が完了すればいい」という判断をして、日本で使用可能な成人用の破傷風のワクチン製剤と、ジフテリアのワクチン製剤をそれぞれ別々に接種しているそうです。更に、なぜ病院によって接種の間に時間を置いたりまとめて打ったりするのか?ということですが、おたふくかぜ、はしか、風疹の生ワクチンは、アメリカでは3種混合ワクチンで、MMRと呼ばれています。ところが日本ではMMRは利用できないそうで、そのため成人には一本づつ打つことが多いそうです。しかし、まとめて打ってはいけないという決まりはなく、学問的にも、複数のワクチンを同時に接種したら良くない(副反応の発生率が高いとか、免疫の効果がうすれるとか)というような事実は、特に認められていないそうです。移民ビザ検診のガイドラインも、複数のワクチンを同時接種を推奨する立場を取っています。
更に、医学的には、「予防接種を完了させる」には、1回だけの接種では充分ではないことが多いそうです。つまり、時間をおいて何回か接種を繰り返さないと、完全に予防接種が完了したとはいえないそうです。ワクチンの種類によっても違いますが、一週間開けて2回目を打ち、3回目は半年後に打つ。とか、一ヵ月づつ開けて一回づつ打つ。とか、決まった方法があり、それを複数のワクチンに対して打つことになると、かなりの時間がかかることになります。
ところが、ビザを取ろうという立場からすると、これをまともにやっているとそれこそ健康診断だけで半年がかり、ということになるわけで、「注射の為に何度も検診医を訪ねることは、移民のプロセスを不必要に遅らせることになるから、検診の時点で予防接種が完了している必要は無い、とビザ検診の医師向けのガイドラインにも記述があるそうです。そこで、「最後の注射は、ビザの面接までに間に合わないようだったらそれは打っていなくてもビザが下りる」ということになっているそうです(海星病院などでも同じような説明を聞いた人は多かったと思います。「で、残りはどこでどういうふうに打てばいいのですか?」という質問も多いのですが、現実問題として渡米後、移民局の方から具体的に指導がくる人はほとんどいないと思います)。結果としてMMRはそれぞれ最初の1回が終わっていればOK。破傷風とジフテリアについては3回で完了なので、2回目までが接種済みならばいい、ということになるそうです。そこで、最初から破傷風とジフテリアの接種を免除している病院だと、MMR3種の1回でお終い、となるわけです。
ただ、これだと意味がない、というか、まさしく「ビザを取るためだけに接種を受ける」ということになってしまうため、せっかくならばちゃんと打ったほうがいいのでは?という医学的見地から、病院によっては時間をかけて慎重に打つことにしているようです。しかし、それはビザを取得する見地からいうと、とても困るというわけで、この辺の医師の判断の違いから、各病院の方針が変わってくることになっているらしいです。何か事故があった場合に、注射を行った医師が責任を問われるわけですから、注射のスケジュールも結局は個々の医師のポリシーによって、多少違ってくるそうです。
このページの内容につきましては、内科医で移民ビザを取得なさった「キャベツの千切りさん」からご指導いただきました。ありがとうございました。千切りさんは大使館指定病院で勤務したことはないので、あくまでも一医師としての見解と思って下さい、とおっしゃっていました。ご了承下さい。