♪ぱたのうち♪

J-1の自国二年待機ルール

法的にアメリカ市民と結婚している夫婦であれば、めったな問題がない限り、移民ビザや永住権を申請すれば問題なく下りるのですが、一つだけ落とし穴があります。該当する人は注意して下さい。

めったな問題というのは、犯罪や重大疾患、スポンサーの経済力の欠如、移民法違反などのネガティブなものが多いので、そういうのに該当しないと思っていて足元をすくわれることがあります。それがJ-1ビザです。

Jビザは、交換プログラム訪問者用のビザです。教育・研究機関へ交換訪問する学生、学者、研究者などがこのビザによってアメリカで就学、研究、就労などをしています。また、日本で募集されているインターンシップなども、このJ-1ビザによってアメリカに派遣されています。

ところがこのJ-1ビザ、普通のビザにはない条件があるのです。J-1ビザで「日本またはアメリカの政府からの援助を受けている研究プログラムで滞在していた場合、2年間自国待機」という決まりがあります。これは移民法212(e)に該当します。

ビザをよく見ると、Annotationのところにsubject to 212(e)というのがあると思います。自分がこの2年間自国待機の義務を負っているかどうかは、visa stampのannotationのところにsubject to Sec. 212(e) と書いてあるところで分かります。

「Bearer is not Subject to Sec.212(e). Two year rule does not apply.」と書いてあれば2年ルールは該当しません。でも、もしも「not」の二カ所にボールペンで線なんかを引かれていたら、該当することになってしまいます。

そもそもなんでこういうルール「J-1ビザでの研修が終わった後、トータルで2年は母国に住んでいないといけない」ってのがあるかというと、「頭脳流失防止の措置」みたいな理由であるらしいんです。研修に参加したときの資本が日本政府からだった場合とか、奨学金が出ていたとか、そういう事情の場合、つまり「お金はらって自分の国のために派遣して研究/就労させたのに、アメリカにそれを取られた」ということのないように、こういう制度で研修に来た人は、母国に2年は絶対にいるようにしなさい、結婚だろうが永住だろうが、その期間内はダメです、ってことになっているそうなのです。

このルールは、移民ビザを申請するときだけのルールじゃなくて、「永住権を申請するときのルール」です。アメリカにいたまま、I-485を提出しても、このJビザの2年ルールにひっかかっている人は「母国にかえって、待機期間を待ちなさい」と言われます(I-485にも書いてあります)。移民ビザは、永住権に直結しているので、同じ扱いになり、このルールに引っ掛かるとビザが下りません。婚約者ビザも同様に取れません。アメリカにはったあと、すぐに永住権申請が前提になっているので、婚約者ビザをとっても永住権申請ができないからです。

もし、このルールが適用される場合でも、J-1ビザでのアメリカ滞在の後、2年以上日本にいるのなら、ビザ/永住権に関しては大丈夫です。しかし、このルールが適用されていて、なおかつ日本に帰っていない人は、2年間永住権が取れませんので、例えアメリカ人と結婚していても、日本での待機を要求されます(そのため、アメリカ人配偶者が日本に来て、2年間日本で夫婦生活を送ることに決めた、という人もいらっしゃいます)。

過去にJ-1ビザでアメリカ滞在をしたことがある人が移民ビザ/永住権を取るときは、ビザの請願をするときに「J-1ビザで滞在中に政府からの援助は受けていません」という書類にサインをさせられたりすると思います。


で、落とし穴の方なんですが、大人になってから交換研究でアメリカに行ったとか、インターンシップに応募したなどの場合は、割とビザについてもきちんと理解して研究/研修してたりするので、このルールについてもあらかじめ分かったりもするんですが、問題なのが高校生くらいの交換留学。

留学は留学でも、高校生の時はFビザではなく、Jビザになるんです。高校時代の交換留学生に応募して渡米し、そのままアメリカの大学に進んでアメリカに住み続け、そしてアメリカ人と結婚、となった場合。さあ、永住権を取ろう、日本に帰って移民ビザを取ろう、としたらいきなりこれが問題になってくるわけです。そんな、遥か昔の話なのにー、と思っても、Law is law.なのです。

そういう場合、J-1ビザでの滞在の状態が終わってから、日本にいる期間が合計2年間になればいいので、もしも他のビザ(FビザやHビザなど)に資格変更してからちょくちょく日本に里帰りをしていた場合、その里帰りしてた期間も自国待機の期間に加えてもらえることがあります。だから、合計したら「あと6ヵ月日本にいればクリアできる」というような状況になる場合もあるかも知れません。

それからもう一つ。何と驚くことに、このルールが該当するかどうか、っていうのに、かなりミスが多いそうなんです。つまり、このルールには該当しないのに、ビザには「該当します」って書かれている場合があるそうです。そうなってくると、エライ迷惑な話になります。実際、こういう話は少なくありません。

このルールが適用されるのは、政府補助金があったり、奨学金がでていたり、などのケースです。よく調べると「私のケースは2年ルールには当てはまらない、パスポートのスタンプが間違っている!」という結論に達しすることもあります。

そういう場合は、留学/派遣の時に使った機関に連絡、政府補助金がなかったこと、奨学金をもらえなかったこと、その他を文書にしてもらい、当時のビザ書類も用意し、USIAに食い下がってみるといいそうです。

USIAはUnited States Information Agencyといって、国際プログラムとか、国際ポリシー、事務を扱っている政府の機関です。現在はDepartment of Stateと合併してInternational Information Programsとなっているそうです。

International Information Programs(USIA)に留学をスポンサーしている団体が、IAP-66というJ-1ステイタスを証明する書類(Certificate of Eligibility for Exchange Visitor Status)をファイルする、という仕組みになっています。そして、IAP-66には、スポンサー団体の意図、目的、自分のカテゴリー(学生、研修生、先生etc.)、資金がどこからいくら出ているかなどが明記されています。

経験者の方の話では、自分が参加した留学団体のありとあらゆる支所(日米両方)に電話して、どこかの倉庫の箱の中に入っていたらしい自分のIAP-66を探し出してもらったそうです。そうして探したIAP-66に「参加した団体は高校生の1年ホームステイプログラムで異文化体験が目的であること、高校レベルで全て自分の個人出費だったこと」がちゃんと書いてあったりすれば完璧です。

J-1の2年ルールについてはBureau of Consular Affairsのページに載っているそうです。多分自分には適用されないかも、と思った場合や、自分に当てはまるんだけど許してくれ!っていう場合などは、入手したIAP-66で事実を確認し、それをもとに異文化体験目的で、先に書いた頭脳流出には当てはまらない、政府補助金は出されていない、などを説明した手紙を書いて、問い合わせになります。

自分には適用されないのでは?と思った場合は、IAP-66のコピーと共に「自分が2年ルールに当てはまるかどうかアドバイスを求める!(Adovisory Opinions)」、という形で

U.S. Department of State
CA/VO/L/W, Visa Services
2401 E Street, NW, (SA-1)
Washington, DC 20522-0106

まで、切手を貼った自分あての空封筒を同封し、送付します。そして、「あなたは212(e)の対象にならない、INSへ永住権申請しても問題ない」という手紙をもらうといいそうです。経験者のお話では届くまで3ヵ月かかったりするそうですが、2年ルールが適用されることを考えればまだましですよね。

そんな昔のIAP-66が手に入らない……っていうこともあるかも知れません。そういわれても、頑張って考えられるすべてに問い合わせをするのがいいそうです。メインのオフィス、使った支所のオフィス、アメリカの方のオフィス。事務の人に聞くだけではなく、上の方に話を通してもらうのも重要です。