♪ぱたのうち♪

えっちゃんの国籍法レポート

これからアメリカ市民ではないけれど、アメリカで暮らすパートナーを持ち(つまり永住権保持者)、将来国際結婚について学ぼうとされている方にちょっとした国籍法のお話です。

国籍法について、ちょっと一言(と言うには長すぎますが)述べてます。まぁちょっとした豆知識の一つとして、みなさんの脳裏の片隅にでも入れといていただければ嬉しいです。(そして、「こんなこともしってるよ」というお話もいただけると、ものすごく嬉しいです)
それでは...。

まるで我が物顔で頻繁におじゃましてるえっちゃんです。その相棒は、現在《永住権保持者としてアメリカに在住》しています。国籍が異なる相手との結婚となると、その手続きから実際家族として住めるようになるまでの経緯が想像以上の作業を要する、ということは、ぱたさんのHPで皆さん既にお勉強済みのことと思います。

「国際結婚といっても、国が違うだけでそんなに難しくないはず。お金もないからとりあえず私もアメリカでバイトでいいから働いて...」と当然の如く考え(信じて)ていた私(←つまり無知)が、ぱたさんのHPに出会い愕然としたことは言うまでもありません。しかも私の場合、《相手はアメリカ人ではない。のにアメリカに住んでいる。そして今後もアメリカ生活は続ける様子。》ぱたさんも何度もおっしゃるとおり、ぱたさんのHPはアメリカ人(市民権を持つ人)との結婚・諸手続き等が必要な方々が対象となっています。ですから、私のように《永住権保持者との婚姻でアメリカに住む(予定)》、という場合はまた事情が変わり、パートナーと一緒にアメリカで生活をしたいとなると、

(1)個人で結婚以外のビザで入国し滞在する(しかし永住はむずかしいので、2か3の手続きと平行しながら)

(2)相手が永住権保持者のまま、かなり長い時間を覚悟で手続きにあたる。

(3)永住権保持者の相手に市民権を獲得してもらってからこのHPの手順を進む(市民権申請資格は、永住権保持者となってから5年後から発生します)

...という種種選択肢が用意されています。(何も知らずに国際結婚をわりかし簡単に考えていた私にとっては、まさにパニックに陥った瞬間。「えっ、そんなに時間かかりそうなの?!...が〜ん...」という感じ)

ここで言うならば、

(1)個人で結婚以外のビザで入国し滞在する

か、もしくは

(3)永住権保持者の相手に市民権を獲得してもらってからこのHPの手順を進む

というのが望ましいでしょう。そしてこんな私にアドバイスを下さる方々の多くは(3)を強く勧めてくださいます。確かに、市民権をとってしまえば、あとはぱたさんのHPの手順を踏むことができる訳ですから当然といえば、当然かもしれません。


文頭でもしれっと書きましたが、お読みの皆さんは「国籍法」という法律をご存知でしょうか。各国に、それぞれの定義で定められている法律です。日本国籍として、或いはアメリカ国籍として各々の国で生活していく分には、まるで空気のような存在なため、認識も薄いです。が、保持する国籍以外の国で生活、となる(予定のある)私たち/婚約者には、途端に無視できない大きな壁となることを少なくともここを読む人々は意識しなければならないでしょう。で、私なりにちょっと調べてみました。詳細は下記の通りですが、その前に簡単にまとめてみますね。

各国にはそれぞれ「国籍法」が定められています。日本は「両系血統主義」といって、両親のどちらかが日本人であれば、日本国籍を与えられます。アメリカは「生地主義」といって、両親の国籍に関係なくアメリカで生まれた場合はアメリカ国籍を与えられます。「父系血統主義」というのは、女性が外国人と結婚した場合は、その子は母親の国の国籍を取得できません、という意味も含まれます。

基本的には「重国籍」は望ましくない、とされていて、世界の各国のテーマとしては「重国籍」も「無国籍」も防ぐ方向で動いていますので、公で認めている国は少なくなってきています。(ここは特に意識していて欲しい所です)

それでは、下記が国籍法抜粋内容です。

「...各国における国籍立法は、それぞれの国の歴史的沿革、人口政策、政治的・経済的事情等を考慮して、独自にその国の国籍を付与する原因及び態様を決定しているため、一人の人が同時に二つ以上の国籍を付与されることがあります。

では、重国籍・無国籍で起こる問題は何か、というと、重国籍者は、二つ以上の国家に所属することから、国家が国民に対して有する対人主権が重複して及ぶことになり、外交保護権の衝突とうにより国際的摩擦が生ずるおそれがあります。また、国家は、自国民に対し、兵役義務、納税義務等の義務を課すことが出来ますので、重国籍者は、その所属する国からそれぞれ義務の履行を要求され、時にはその義務が衝突し、不測の事態を引き起こすおそれがあります。

身分上の問題に限ってみても、重国籍者はその所属する各国において別個の氏名により国民として登録され、別個の旅券を行使することもできますので、個人の同一性の判断が困難となり、場合によっては適正な入国管理が阻害されるおそれもあります。

また、国際結婚の有効性、効力等を判断するためには、どこの国の法律を適用するかが問題となり、この場合には、当事者の本国法が適用されることになりますが、重国籍者の場合、その本国法として適用すべき法律の内容が異なるため、ある婚姻が、適用すべき本国法によって有効とされたり、または無効とされたりすることになり、いわゆる跛行婚が生ずる等、渉外的な私法関係に混乱を生ずるおそれがあります。

国際社会において、このような外交保護権の衝突や兵役義務等の衝突による国家間の紛争を防止するためには、各国の国籍立法の上でできるだけ重国籍をなくしていくことが望ましいことですが、重国籍を発生させているのは、各国がそれぞれ異なった国籍立法を有しているからですので、一国のみがいかに努力をしてみても、その完全な解消は、不可能です。

■ 血統主義を原則としている国 ■

血統主義=出生地が自国内であるかどうかを問うことなく、父または母が自国民であればその子にもその国の国籍を付与する主義で、親子の血縁関係を基礎とするものです。血統主義には、父の国籍のみを与えるもの(父系血統主義)母の国籍のみを与えるもの(母系血統主義)、父母の国籍のいずれも与えるもの(父母両系血統主義)があります。

(ア)父母両系血統主義を採る国
アイスランド、イタリア、インド、エチオピア、エルサルバドル、オーストリア、オランダ、ギリシャ、スウェーデン、スペイン、タイ、中国、デンマーク、トルコ、日本、ノルウェー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ポーランド、ルーマニア、ロシア

(イ)父系血統主義を採る国
イラン、インドネシア、エジプト、クエイト、スーダン、スリナム、韓国、モロッコ
(韓国に関しては、国民の父系血統主義に対する反発が高まっており、政府も検討すべき方向へ動きつつあるようです)

■ 生地主義を原則としている国 ■

生地主義=父母の国籍を問うことなく、自国内で出生した子にその国の国籍を付与する主義で、出生の際の地縁関係を基礎とするものです。かつて植民地であった国家においては、多くの国々から移民を受け入れているため、血統主義を採用したのでは住民の多数が外国人になり、国家の統一が困難となることから、生地主義を採る国が多いようです。

アイルランド、アメリカ、アルゼンチン、ベネズエラ、ウルグアイ、エクアドル、カナダ、グレナダ、ザンビア、タンザニア、ニュージーランド、パキスタン、パラグアイ、ブラジル、ペルー、メキシコ、ドイツ(=2000年1月をもって、生地主義を原則とすることになりました。)...」

ここまでがざっと書き写した「国籍法」概要です。と、ここで 「重国籍」という言葉も目につかれたかと思います。私自信も、この「重国籍」(=自国籍を失うことなく、もう一つの国籍も((ここではアメリカ市民権ですよね))取得可能な国)を初めて耳にしたのはこの時でした。
(*イギリス、カナダ、アイルランド、フランス...他ヨーロッパ各地は重国籍が可能のようです)

もし、相手の方がそれまでの自分の国籍を捨てて市民権を取ることを渋るような時、「(重国籍を)彼への説得法の一つとしてみては?」という一言に、「これなら、別に自分を追いつめて悩むこともないじゃ〜ん?」とえっちゃん感激。もし相手の方がこの対象となるようでしたら、この件も参考にされるとよいと思います。

ただし。上記でも述べてありますが、全世界的な動きとしては、重国籍(無国籍も)は基本的には望ましくない、とされているために、公に認めている国はほとんどありません(この点はお忘れなく)。ただ、上でも書きましたが、ヨーロッパ各地の国籍を保持したままアメリカ国籍も取得できた、というパートナーをもつ方々も実際に数多くいらっしゃるのも事実です。

*ここで余談ですが*
「じゃぁ、これで解決ね!」...っと喜んだのもつかの間。そうは問屋がおろさなかった、私の場合...。実はそうも簡単に行きそうにないのです。えっちゃん、しばらく土壺に落ちました。「か、解決策があるのになんだかないような気もしてきた..」と。その「簡単に行かない」理由の一つに、それまでの自国籍を放棄し、アメリカ国籍を取得する、という選択が相手の方の自国に対する思いや誇り=プライドのために非常に辛く、決断になかなか踏み切れない原因を作っているという事実もあります。

歴史的・民族的背景や果ては「自国を捨てた裏切り者」というレッテルを貼られるのではないか、という不安も (大げさかもしれないが)自分自身で背負っている、という観もあります。実際、アジア・中近東方面ではそうでもないのですが、ヨーロッパ方面ではアメリカに強く反感を抱く傾向があるようです。たとえ重国籍が可能、と知っていても、です。

えっちゃんの相棒はドイツ人。しかもお母さんはあまりアメリカに(住んでいるけれども)良い印象を持っていない。...ということは相棒も同じ思いでいるのかもしれない...そんな彼に「市民権とりなよ」なーんて口が裂けても言えなーーーーーーい!!!あぁ〜、また夢が一歩遠のいていくぅ〜....。

(ちなみに、後日私の悩みは突然相棒の「ボクが市民権をとれば問題ないじゃーん。え?ドイツ国籍を失っても良いのかって?ぜーんぜん平気だよ。だって心はいつでもドイツ人だもーん、ボク♪」という発言に、ただ一人相手を気遣い口にできなかった思いが単なる鳥越苦労であったことで解決しております。が、もちろん私の場合は運が良かっただけであり、引き続きこういう悩みを抱えている方々もたくさんいらっしゃる訳です。みんな、が、頑張ろう〜!!!)
*余談終わり*

重国籍に関しては、下記の情報を添付しておきます。参考になさってください。

外国国籍の取得によって自国の国籍を喪失することになるかどうかについての各国の立法例は、次のとおりです。

(1)自己の志望による外国国籍の取得により、当然に自国籍を失うとする国
日本・韓国・中国・スウェーデン・デンマーク・ノルウェー等

(2)自己の志望による外国国籍取得により、原則的には自国籍を喪失するとするが、年齢や兵役義務等を理由として自国籍の喪失に一定の制限を加えている国
インド・ドイツ・オーストリア・フィンランド・ブラジル・ペルー・オランダ・ベルギー・メキシコ等

(3)自己の志望による外国国籍の取得によっても当然には自国籍を喪失しないとし、何らかの意思表示または国家の許可が必要であるとする国
スイス・トルコ・アメリカ・イギリス・カナダ・アイルランド・フランス等...

パニックに陥りながらも、一度にたくさん解決策を練ろうとしたえっちゃんは、少し疲れてしまったので、ちょっと休憩をすることに。ここでえっちゃんが興味を持ったのが、上記の「国籍法」でした。「(重国籍)わかってるんだけど、そうも簡単にいかないのよ、ねぇ〜...ふぅ〜」っとお思いの方、ひょっとして私の他にもいらっしゃるんじゃないか?ということが頭をよぎり、えっちゃんは思わず本屋へと資料探しにでかけたのでした。

以上、ほんとはもっと詳しく調べたかったけど、ここまでがえっちゃんの「勝手に国籍法レポート」でした。もし、ほかにも情報を提供して頂ける方がいらっしゃいましたら、本当に嬉しく思います。また、不完全な個所も多々あると思いますので、間違い・勘違いを発見された方、レスいただけると非常に助かります。そして当のえっちゃんはもっか進行形。結果やいかに?です。

**ここでちょっと一言、なんですが**
国籍法を読んでいて、国籍のために計り知れない差別や苦難と戦っている方々が世界中にいらっしゃる記事を多く目にしました。日本ともっとも深い関係にあると思う韓国(朝鮮民主主義人民共和国)、中国(中華民国)籍の方の中には、在日韓国人等として生まれも育ちも日本でありながら、国籍が韓国のために就職も進学も困難な方が存在します。精神的にも辛い思いをされている方々は数え切れないのではないでしょうか。

戦争が一つ終わるごとに平和条約等が締結されますが、それは単に公約に過ぎず、人間の心とはそう簡単に切り替えができるものではありません。たとえ子孫が経験していないことでも言い伝えによっていつまでも根強く残るものです。国籍が違う、人種が違う、ということで何らかの経験をされる機会がぱたさんのHPに来られる方々の中にもいらっしゃると思います。

また、国際結婚予備軍の方も、これからの将来経験されるかもしれません。その時は、心を強く持って頑張って乗り越えましょう!そして自分が経験した辛いことを繰り返さないように、また経験を生かしてこれからの子や孫へ伝えていけたら良いな〜、と思います。
**一言、おわり**

おわりに...。
興奮してしまったこんな私に、ぱたさんをはじめ、多くの方からもメールにてたくさんのご協力・アドバイスを頂きました。本当にありがとうございました!この場をお借りして、感謝申し上げます!いつの日か、実を結ぶよう私も頑張ります。