ぱたのたまご・妊娠九ヵ月後半

/ 妊娠二ヵ月 (発覚〜7週)/
/ 妊娠三ヵ月前半(8〜9週)/ 妊娠三ヵ月後半(10〜11週) /
/ 妊娠四ヵ月 (12〜15週)/
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/ 妊娠六ヵ月 前半(20〜21週)/ 妊娠六ヵ月後半(22〜23週) /
/ 妊娠七ヵ月前半(24〜25週) / 妊娠七ヵ月後半(26〜27週) /
/ 妊娠八ヵ月前半(28〜29週) / 妊娠八ヵ月後半(30〜31週) /
/ 妊娠九ヵ月前半(32〜33週) /
妊娠九ヵ月後半(34〜35週) /
/帝王切開の謎に迫る(ドイツ語の蘊蓄盛り沢山)、の巻。/
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皮はどうしましょうか?(男の子じゃなくてよかった。ほ)の巻。/
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あれっくすの冒険?の巻。/腹痒い痒いと帝王切開補足の巻。/後期にもつわりが?の巻。/
/ 妊娠十ヵ月前半(36〜37週) / 妊娠十ヵ月後半(38〜40週+) /

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/ おまけ「無痛分娩について」 /


12/19/2001(34週目)

■帝王切開の謎に迫る(ドイツ語の蘊蓄盛り沢山)、の巻。

前回の帝王切開の話の反響が結構高かったです。頑張って書いてよかった〜。

前の更新で「帝王=ジュリアス・シーザー」という話(しかし、2000年以上前の話だけあって事の真偽は闇のままですが……)を書いたのですが、何人かの方から情報をいただきました。残念ながら現役の産科医師の方の話は聞けなかったんですが、色々調べてくださるありがたい方々が、ぱた宛にメールを送ってくださいまして、それでまたお勉強をさせていただいてしまいました。

まずはたまごにもよく登場してもらっている、獣医さんのまゆさん(そして、私と予定日がほとんど変わらないので妙に親近感&日本の出産現場の比較の対象にさせてもらおうと目論んでいる……)からのメール。まゆさんは、医学英和辞典で調べてくださいました。で、やはり帝王切開はシザリアンで、その前後の関連項目でも、シーザー、あるいはシザリアンが「お腹」とか「子宮」とか「その切開」という意味をさしているという記述はなかったそうです。というわけで、「私達が外国語教育で習わなかったところに、実は“シーザーとは子宮を意味する”なんていうどんでん返しがあった!」という落ちではなさそうです。

で、もう一つ詳しいメールをもらったのが、実は私の母方の従姉です。11/13の所にもちらりとでてきていた「以前ドイツ暮らしをしていて、ドイツでがんもどきを作った」という従姉です。

急に話が飛ぶようですが、日本に入ってきた近代医学と化学は、実はドイツから入ってきたって知ってました?お侍さんがいた日本に近代医学と化学が入ってきたときは、実はお手本にしたのはアメリカではなくてドイツだったのです。鎖国を開いたのは黒船、アメリカのペリーだったわけで、外交を今までほとんどしていなくてウブだった日本に色々不平等な条約を結ばして、無理矢理手下にしたのもアメリカだったのですが、その時の日本ってのは、もうとにかく初めて見るアメリカに「西洋はすごい」「西洋に追い付かねば」というムードが高まり、開国の後は「文明開化」とかいってめちゃアメリカに媚び媚びな風潮があったのはみなさんご存じかと思いますが。実はその後、アメリカと日本は冷たい関係になっていくのですよね……(日本が第二次世界大戦でアメリカに負けるまでは、日本とアメリカはそんなに仲が良くなかったんですよ)この辺、近代日本史を勉強した人は知ってるかも知れませんが。

当時の日本人政治家のその辺りの気持ちの変化はよくわかりませんが、今私がアメリカに感じているような感想を持つに至ったのかも。最初はむちゃくちゃ憧れて崇拝したものだけど、そのうちアメリカの現実に気が付いてこんなやつらにモノを習うのもなんかしゃくだなーみたいな(笑)。で、とにかく文明開化のあと、日本はお手本になる国をアメリカ以外のあちこちに求めて、それをドイツに見いだすわけですな。当時のドイツは(というか、いまでもそうですが)勤勉でなんでもレベルが高く、まさに先生になってもらうにちょうどよかったのかも知れません。

というわけで、医学生とか化学生とかは、皆ドイツにこぞって留学して学んでおったわけであります。で、それを日本に持ち帰りますから、当然日本で広まる近代医学も化学もドイツ語ベースになるわけです。私は学生時代、化学専攻だったのでこの手のウンチクになると語りまくりますが、日本で使われている化学用語は、実はドイツ語がものすごく多いんです。現在は化学でトップ水準の国はやはりアメリカなので、論文も英語がメインだし、新しい器具の名前なんかも英語で入ってきてますけど、もっとコアの部分、例えば「原子記号とその名前」なんていうところでは、日本はドイツから習ってきたもんだから、ドイツ語を採用してるんですよね。

たとえば、原子記号Kは日本語では「カリウム」ですな。青酸カリ、とかいう時のカリも、「カリウム」の略なのですが、これはドイツ語です。英語ではKは「ポタシウム」ちゅーんですわ。同じように、Naは「ナトリウム」ですが、これもドイツ語。英語では「ソディウム」です。塩のことを「塩化ナトリウム」なんつうのは、「日本語+ドイツ語」の組み合わせでありまして、アメリカ人相手に「エンカァ・ナトリーウム」と怪しげな発音をしても絶対に通じません。NaClと書けば通じるかも知れませんが。英語では「ソディウム・クロライド」といいます。

というわけで、日本語で化学を勉強して、いきなり英語でそれを読まされたり書かされたりするようになると、「英語ではこれはなんていうか」というのまで覚えないといけなくなるわけで、非常に私達には不利。と思われるわけです。最初から日本も素直に英語で習っとけばこんなことにはならなかったのに。と学生時代不平を言ったこともありますぱたです。でもまあ、当時は化学といえばドイツというくらい彼らは進んでまして、世界大戦に1度負けたのに、かなりの国力をつけて第2次大戦に参加できたのは、実は国内で化学反応の新発見がたくさんあって、それでかなりの外貨を稼いだ、等の裏事情もあるそうです。化学のどんな発見だというのは細かくいうとややこしいことなんですが、簡単にいうと彼らは「空気からお金を作る」というに等しい化学反応を発見しまして、そりゃもうウハウハだわな、というようなことが二つの大戦の間にあったわけです。

そんなわけで、私たち日本人が最初はドイツ語で化学を勉強しないといけないのは仕方のないところでしょう。アメリカ人は自分の国の言葉で研究して発表できるなんてずるい、と思ったりするけど、彼らは普段、単位はヤードポンド法(温度も華氏を使用)だから、化学の場ではメートル法に準じる単位を使わないといけないというところで、やっぱり私達の知らない苦労をしてるのかも知れませんけど。

って、話は化学にそれちゃいましたが、おそらく医学でも同じようなこと(日本はドイツから習ったために、ドイツ語から移植された言葉が多い)が起こっているのだと思います。例えば、「カルテ」とか言うけど、これって絶対ドイツ語だと思います。英語では「メディカル・レポート」ってそのまんまやんけ!って用語使ってますからねえ。患者のことを「クランケ」っていうのもドイツ語ですよね。英語では「ペイシェント」だし。

今ちょっと調べて分かったのが「メス」はオランダ語みたいです。英語では「スカルペル」とか「(外科用)ナイフ」なんていう言い方するらしい。メスって、おそらく鎖国の江戸時代に杉田玄白辺りがオランダの医学書からゲットした言葉なのでしょう。確かあの時に死刑囚を初めて解剖したんですよね、日本で。その時に「オランダ人からもらった“メス”」を使ったんじゃないでしょうかねえ。……よく分かんないけど。

話はドイツ語と医療用語に戻りますが、さらに、日本のお医者さんがカルテに書く言語も、ドイツ語なことが多いそうですよ。お医者さん同士の会話を聞いているとよくドイツ語はさんでるみたいですし。あ、でも最近の若いお医者さんは英語の方を普通に使うとも聞いたような気もします。ドイツ語使うのは昔の人、みたいな(本当かどうかは未確認ですが)。確かに化学でも、ドイツ語で授業をやったりドイツ語の論文読まされたのはおじいちゃん教授だったなあ……私の講座の先生はバリバリ英語を私にしごいてくれた思い出が……若手はやはり英語なのですな。

ああ、激しく脱線してしまった。これがぱた風(笑)。

で、話はずーっと元に戻るのですが、従姉について。実は従姉はドイツ語の先生をしてるんですが、従姉も「医学用語ならば、日本で使われている言葉はドイツから入ってきたものだと思う」と推理して、ドイツ語の方で調べてくれたんですよ。感謝。

従姉からのメールでは、

「ドイツ語では帝王切開は Kaiserschnitt
 Kaiser = 皇帝
 Schnitt = 切開

 まさにそのままなのです。」

という衝撃の事実が。「ジュリアス・シーザーがローマ皇帝だから、それにちなんでいるシザリアンだから帝王なのか?」なんてまどろっこしい由来ではなく、そのものズバリの「ドイツ語で“皇帝切開”っていうから、日本語を素直にそれを訳して帝王切開にした。」が答えだったのですな。

ちなみに、この「ドイツ語から素直に訳して」というのは他にもあるそうで、例えば私達の体に「十二指腸」ってのがあると思いますが(ストレスがたまるとここに潰瘍が出来たりしますな)、従姉によると、これはドイツ語ではZwoelffingerdarm(注:ほんとはoはうえに点々がついたウムラウト)というらしい。

ドイツ語はパーツに分けて意味を探すことが出来るんですが、
 zwoelf = 12
 Finger = 指
 Darm = 腸
というふうに、まさにそのままドイツ語が言っている通りに訳したのが「十二指腸」だったのです。ちなみに英語では「Duodenum」だそうで、この言葉には「12」も「指」も入る余地はありません。つまり、ドイツ語から丸ごと拝借なのですなあ(そういえば、調べたついでに分かったんですが、なんで12指っていうかというと、この腸の長さが大体握りこぶし3個分、という所から来ているらしいです。握りこぶし一個は指4本の幅に相当するから、3個で指12本、だから12指腸だそうです)。

まあ、こんなのを今の私達が読むと「なんじゃ、翻訳そのまんまやんけ!ひねりも無しか?オイオイ」ってな感想を持ちがちですが、当時の日本人はきっとものすごい苦労して訳したと思いますよ。翻訳というのは、ものすごく素直で簡単そうに見えて、実はする人にとってはとっても大変なものなのです……(と自分の仕事が仕事なので妙に肩を持つ)。

そもそもドイツ語で「Kaiserschnitt」っていうのは、腹を割いて産むことをラテン語で「sectio caesarea」と呼ぶところからの翻訳だそうです。つまり、ラテン語で「シーザー式の切開」って書かれてる(ように見える)から、ドイツ語でも「皇帝切開」って言いましょう、みたいなノリで翻訳があったと。そして、日本でもそれが「帝王切開」になっていくというところが面白いですなあ……。

というわけで、日本語の帝王切開というのはドイツ語から来た、ドイツ語の皇帝切開はラテン語から来た、というのはほぼ間違いのないところだと思いますが、それよりも何よりも、なぜ「ハラキリで赤子をだすのが皇帝式(シザリアン)なの?」という疑問は残ったまま。

で、従姉が調べてくれたところによると、今のところ説は二つあるようで(いや、もっとあるのかも知れないけど、従姉が教えてくれた中では)、最初の一つが、私のチャイルドバースクラスの先生が言っていたように、「ジュリアス・シーザーがこの方式で生まれたので、それにちなんで」というやつ。

どうしてそうなったのか、というのは歴史をひもとくとちゃんと説明をさがすことができるようです。簡単にいうと、西暦23〜79年に生きていたというローマの作家のプリニウスが「おぉ、sectio caesareaというのは、シーザー式の切開という意味か!つまり、ジュリアス・シーザーがそうやって生まれたのだな」というような解釈をしたため……ということらしいです。

しかーし、プリニウスが作家として活躍して「これをシーザー式の切開と言おう」とかって言ってるときって、シーザーはとっくに死んでたわけですよね……プリニウスより100年くらい前の人なわけですから。で、彼よりも先に「シーザーは腹を切って生まれたらしいぜ」なんていう話がなかったところをみると(あったのなら、そっちの方が由来の説明にでてくるであろう)、「そのプリニウスの話ほんとか?」と疑いたくもあるかも……ははは。

私が思うくらいだから、やっぱり同じように「ほんとかプリニウス?」と疑いの気持ちをもつ人が多かったと見えて、「今日では、sectio caesareaという概念はラテン語の動詞 caedere (注:切る)から派生したものと考えられている」ということになっているようですな。簡単に言うと、本当はラテン語の「切る」という言葉から出来たんだけど、ラテン語の動詞で「切る」という綴りとシーザーの名前の綴りが似てるから、ローマのおっさんが勘違いして「ジュリアス・シーザーから来たんじゃないか」というようなことを言い出したからなんだか訳がわからなくなって今に至る、というのが真相に近いのかも知れません。

ここまで書いて、今日の掲示板を見たところ、アメリカの有名な妊娠本には「ジュリアス・シーザーが帝王切開で生まれたって事はないでしょう。当時はそんな技術はなかったはずです」というような記述があるそうです。あ、そうなのか……まあ、これだけ教えてもらって調べて賢くなった分、頑張って書いたことは無駄にならなかったと思うようにしよう。皆さんも読んでくれてありがとうございました。ぱたすっきり。

しかし、古代の技術は侮れませんぞ。私達が知らないだけですごいものがあったかも知れません。意外と2000年前のローマでは、帝王切開なんて「もうみんなやってるすごいポピュラーな出産方法(最初はジュリアスシーザーが始めたんだけどね)」なんてこともあったかもしれませんな。やはり真相は闇の中。


12/20/2001

■皮はどうしましょうか?(男の子じゃなくてよかった。ほ)の巻。

今日は産婦人科に検診に行って参りました。現在2週間にいっぺんの検診になっているので、なんか「え?もう検診?」という感じ。腹がこの1週間でぐんぐん大きくなっている以外は別に特に変わったこともないので、行くのが面倒だなーとさえ思ってしまう私です。

物忘れが多くなる妊婦にありがちですが、朝せっかく取った尿を病院に持ってくるのを忘れ、病院で尿を取ることに。病院にあるのは口の広いカップなので取りやすいですわ。もうあの「フィルムケース大の入れ物に」にばっちり尿をとれる技術を取得したぱたにとって、カップに尿を取るなんざあ、目をつぶっても出来るって所ですよ。いやあ、妊婦になってこんな技術を学べるとは素晴らしい。

血圧も正常(110-70)、胎児の心音も順調(130)、体重も順調(23パウンド=10.5キロ増加:嬉しいことに腹はでかくて重くなってきてるのにトータル体重は増えとらん。いいことだ)、むくみも全くなし、体調も絶好調ということで、ナースにも「何にも心配いらないわねーよかったわねー」と言ってもらえほくほく顔。

今回の検診はハンサム先生だったのですが、カルテを見て「うーん、何も心配いらないね。」といい、服の上から子宮の大きさを測って「赤ちゃん小さめだねえ」と感想を漏らし(あ、周りの人にも「お腹小さいねえ、34週には見えないねえ」ってよく言われるのですが、実際にぱたの腹の中の赤子は今の時点ではちいさめサイズみたいです。私は生まれた時は3000グラム以上の丸々太った赤子だったのですが、あれっくすが2500グラムくらいで生まれてきた小さい赤ちゃんだったらしくて、もしあれっくすに似てるのなら小さめで生まれる可能性が高いとのこと。その方が産むのが楽でいいわ〜)、「じゃあ、今日はこれまで」って、おい何も診んのか?とこっちが心配になるくらい。

お金払って来てる(とはいえ、保険会社が払ってくれるんだけど)んだからそんな2分で終わらせんでー!と思い、「質問がありますー!まだ行かないで〜!」と引き留めるぱた。当たり前じゃあ。

実は、前日のチャイルドバースクラスでちょっぴり気になったことがあったのですな。実は、昨日が最後のチャイルドバースクラスだったのですが、そこで主に新生児のお世話についてのことを習ったわけです。その時に私とあと1〜2人の妊婦以外のほとんどの人が、「もうすでにこのベイビーのための小児科医も頼んであるし、その小児科医に会いに行ってどんなドクターかもチェックしてる」などという発言をしており、先生も「それはいいことですね。さて、ここでいい小児科医の見分け方を説明しましょう」と当たり前のように話していて、「分娩の時には、頼んだ小児科医の先生も出産に立ち会いますので、陣痛が始まったらその小児科の先生にも連絡しとかないといけないから忘れないようにね!」なんてアドバイスまで……

私、自分の妊娠のことで心が占められており、生まれた後の赤子が医師を必要としている(そして、彼女が必要としている医師は産科医ではなくて小児科医であるという事実……)をすっかり忘れておったのです。や、やば〜!そんなこと考えたこともなかった!近所に赤ちゃんがいる知り合いもいないし、どこの小児科医がいいかなんて全然分からんわ!と大焦りに焦ったぱた&あれっくすでした。はい。

ってわけで、今回検診の時に産科のドクターに聞いてみようと思い立ったわけです。ハンサム先生は私に心臓医を紹介してくれたくらいですから、小児科医も紹介してくれることでしょう。と思いまして。

で、ハンサム先生を引き留めて、「小児科医って生まれる前から必要だったのですね!昨日のチャイルドバースクラスで聞きました。だれも何にも教えてくれないんで全然知らなかったんです。私達小児科のクリニックなんてわからないんですが、どうしたらいいんでしょうか!」とアドバイスを求めてみたところ、「……別に生まれてないのなら、患者はいないんだから小児科医は必要ないですよ……いいドクターを見極めたいから事前に面会に行くっていうのはもちろんいいことですし、そこで決めたドクターに分娩の時に来てもらうのも結構ですけど、普通は出産が始まったら、こちらの方で小児科医に連絡して来てもらいますから、別に小児科医を決めてなくても問題ないですよ。もしそのドクターがいやだというのなら、後から変更も出来ますから、そんな焦らなくても……」といわれてしまいまいた。

ハンサム先生がいうには、こうやって妊婦さんがチャイルドバースクラスで周りの妊婦さんの意見を聞いて、焦って産科クリニックに泣きそうな勢いで電話してくる、ということがとっても多いそうで、この「小児科医って今必要なんですか??」っていうのも、いわゆるよくある質問の一つみたいだったです。ハンサム先生にスマイルされながら「焦らなくて大丈夫って皆さんにいつも言ってます」っていわれました。トホホ。

ただ、これは私の場合(健康保険がほとんどの小児科医のところでカバーされるもので、出産後も引き続き私の保険でベイビーを家族カバーする予定)であり、例えば健康保険が決められた小児科医でしかカバーしないとか、出産は自分の保険を使って、赤子はパートナーの保険の家族カバーにいれる場合(つまり保険会社が分娩と出産後で変更になる場合)、なんて時はまたちょっと変わっていくみたいです。なので、この辺はお使いになる保険会社にしっかり確認の上、病院と相談してから、ってことになりましょう。しかし、アメリカって保険がややこしすぎて死にそうになりますなあ。ほんとに。

ま、検診はそう言うわけで無事に15分ほどで終了し、また2週間後に会いましょーってなことでクリニックを後にしました。

そういえば、最後のチャイルドバースクラスでは、赤ちゃんについてのあれこれの話も聞きましたが、そこで「男の子にする割礼には、今日では医学的に有利な点は無いとされています」とはっきり言われました。はい。

割礼をするのは、ユダヤ教ならば宗教的な理由ですが(ユダヤ教では、神との契約のために、生まれたらペニスの包皮を切り取って神に捧げないといけないらしいです。しかし、信者のチンコの皮が好きとはとーても変な神様だと思うのですが……どうなんでしょ)、アメリカ人が割礼をするのは「たんに習慣から」ということになるようです。

ちなみに、ユダヤ人の国「イスラエル」での割礼率と、アメリカの割礼率を比べると、なんとアメリカの割礼率の方が高い(60%の割礼率)そうです。これはチャイルドバースクラスに来ていたアメリカ人も素直に驚いていました。

元々アメリカで割礼をドコドコするようになったのは第一次世界大戦の時で、その時に戦争に参加しているせいで「何週間も何ヵ月もお風呂に入れない男性」というのが大量に出現したわけですね。で、包茎の人がほとんどお風呂に入って清潔にできないため、結果として……(どうなるのか分からない人は近くの包茎の男性に聞いてみましょう)ということになったわけで、アメリカでは「こりゃいかん」というわけで、それ以来生まれた赤子に割礼を施す習慣になったそうです。そのため、第二次世界大戦の時は兵士はほとんど割礼をしていて、お風呂に入れなくてもあそこは清潔、という好ましい環境になったそうです。案外アメリカが第二次世界大戦で勝ったのはこれが理由かもしれませんな(笑)。

で、戦争に行っててお風呂に長期間入れないという状況じゃないのなら、「割礼なんかしてなくても全然へっちゃら」な訳だそうで、生まれてくる坊やが将来ミリタリーに入って戦争に行く事はないだろうと思われるのなら、別に割礼なんてしなくて結構、なんだそうです。まあ、戦争する国・アメリカなので、「将来戦争に行くことなんて無いだろう」とは言い難いものはありますが……ある可能性も結構高そうですしね。

そう言うわけで、割礼について色々賛否両論のある中話を聞いてましたが、最初は「当然割礼させるでしょ」という考えから、うーんどうしようかなあ、そうなのかーなんていろいろ迷いが生じたりしたんですよね。しかしまあ、お腹の中のチイサイヒトは女の子とわかってしまった今となっては、「いろいろあるのねー、ま、私には関係ないけど。男の子じゃなくてよかった」ってな感じのぱたでした。生まれてから「おぉ、立派なモノがついてる男の子ですよ!」ってことが無いことを祈ります。


12/23/2001

■あれっくすの冒険?の巻。

あれっくす、親知らずを抜いてきました。たまごとは関係ないんですが、レポート。

前日は12時からは何も飲み食いしないように、たばこを吸う人はたばこも吸わないように、という注意を聞いてきたあれっくす、金曜の夜に「the Lord of the Rings(指輪物語)」の映画を見たあと(どうも次の日の手術を考えると緊張するらしいので、前日くらいはお気に入りの映画を見てリラックス、という戦略)は何も食べないで飲まないで眠りについておりました。

で、当日の朝。手術は10時からの予定なので、私も一緒に起きて付添い。全身麻酔で抜くので、必ず運転できる付添に来てもらうように言われておりました。で、二人で口腔外科(英語では「オーラル・サージェリー」などというすごそうな名前が付いているので一層緊張を誘いますな)に行きます。

10分前の9時50分に病院に着くと、あれっくすはすぐに呼ばれて診察室へ。緊張のせいか、ほとんど口も聞かずに青ざめて「行ってきます……」と力なくこっちを見るあれっくす。私は余裕で、持ってきていたハリー・ポッターの2巻を読もうかと。でも読む前に、せっかくこういう珍しいところに来てるんだから観察しとこうと思ってじろじろ見てみました。しかし、土曜の午前中に手術の予定をしている人は結構いるみたいで、みなさん付添がいて(二人組みで来ているのでわかる)、手術を受ける人がどっちかもすぐわかります。気が重そうで青い顔してるもん(笑)。

ちなみに、口腔外科って親知らずを抜くだけじゃなくて、噛み合わせを変えるための顎の骨を削る手術とか、いびきのひどい人のための手術とか、顎が出てる人とか引っ込みすぎてる人なんかの顎の形を整える手術とか、笑うとはぐきがぎゅーと見える人がそれが嫌だから笑ってもはぐきが見えないようにするための手術とか、ワシ鼻の整形手術とか(英語ではワシ鼻は「サイの鼻」っていうみたいですね)、まぶたの美容整形とか、わりと「顔の整形」的なこともしてるんですねえ。待ってる間見ていた「We can help you!」みたいなので学びました。

と、いきなりドアが開いて、「ミセス・ぱた?」と、ドクターに呼ばれるぱた。え、え、あれっくすが診察室に消えてからまだ20分しか経ってないのに〜!と焦り、「な、なんでしょうか?」と慌てて聞くと「終わりましたよー。荷物を全部持って入ってください」とのこと。すげー!全身麻酔で3本抜いたんですよ?それで20分か?

回復室の方に案内されると、そこには力なく座っているあれっくすがおりました。意識はないのかと思ったら、目は覚めてるみたいで、手に付けてた腕時計をもってそれを凝視しております。「お疲れ〜。早かったねえ」とはなしかけたところ、「まーねー」なんて返事してて、一応会話は成立している模様。

そこにドクターが入ってきて、「手術は無事に終わりました。あとはお家に帰ってもらって、お家でこの後のケアをしてくださいね。今から簡単に説明しますから、それに従って奥さんがあれっくすさんに説明をして世話をしてあげるように」とのこと。

最初はあれっくすも一緒に聞いてるから、ちょっとくらい聞き逃してもオッケーかしら?と甘いことを考えたのですが、ドクター曰く「あれっくすさんは、おそらく今起こっていることをほとんど覚えてないと思いますから、奥さんがちゃんと覚えてくださいよ」と私の心を見透かしたようなことをおっしゃる。トホホ。「だってあのとき英語聞き取りうまく出来なかったんだもん〜」などとほざいて、あれっくすが何か危機に陥ったら悪いので、身を入れて説明を聞くぱた。

で、処方される2種類の薬について(痛み止めと抗生物質)飲む間隔と飲み方について、口の中のガーゼ処理について、うがいについて、腫れたときの冷やし方について、食べ物飲み物について、など一通り聞きました。わりと簡単な内容だったので私にでもちゃんと覚えられましたが(笑)、おかしいのが、あれっくすは麻酔でモーローとしている中でも「ぱたの英語聞き取りで何か聞き逃しているかもしれない」と思うのか、しきりに私とドクターの会話に口を出してくるんですよ。「うがいはどのくらいの間隔でするんですか?」とか。で、ドクターが「それは奥さんにちゃんと説明しましたから」っていうと、「いや、彼女がわからなかったときのために僕にも教えてください(←実は心の奥底では、私のことを信用していないのか?と思ってみたりする私)」みたいな(笑)。しかし、その10秒くらい前に「大体4〜6時間おきくらいに塩水でうがいをさせてあげてくださいね」という話をあれっくすの目の前でしたばかり。それを一緒に聞いていたってのに……

しかし、あれっくすのしゃべり方は完全に酔っ払いのそれ。発音も「ぼく泥酔しています」みたいな感じで、口をあけてしゃべろうとするとよだれが垂れるので、あれっくすがしゃべろうとするたびに「あれっくす、話さなくていいから〜」「シ〜」としゃべるのを阻止する私でした。しかし、しゃべりを阻止されると腕時計を凝視してたりして、なんか行動も酔っ払いみたい。

で、なぜか口の中のガーゼが気になるのか、「このガーゼはいつ変えるんですか?」とあれっくす、ドクターに質問。ガーゼの取り換えについては、もう私が聞いていたので、「大丈夫よ、ちゃんと聞いといたから」と私が言っても、2分くらいしたらまた「あのぉ、このガーゼはいつ変えるんですか?」とまたドクターに……で、ドクターに「奥さんが知ってますから、大丈夫」といわれて、そうですか、と引き下がったくせに、またしばらくしたら「あのぉ、ガーゼなんですが……」って。

映画「メメント」の主人公みたいですな。短期の記憶が消えちゃうのでしょう。
しかし、何でガーゼがそんなに気になるんだあれっくすよ。

で、結構ふらふらしてる気がするんですが「このままお家に帰ってくださいねー。奥さん、手を支えて彼を車に乗せてうまくお家に連れ帰ってください」と説明をされ、うわーこの状態で帰らせるのか、さすがアメリカ。と思いながらあれっくすを導く。ドクターに「麻酔のせいで、下を向かせると地面が回っているように感じて気分が悪くなりますので、なるべく上を向いているように彼に言ってください。ガーゼはまだしっかり噛んでいるように言ってくださいね」といわれて、ほーい。と思いつつあれっくすを駐車場に連れていく。

あれっくす、妙に下が気になるのか、下を向きたがるので「ほらほら、上向いて!頭上げて!」とイチイチ声をかけます。そうするとちゃんと素直に頭を上げるのですが(なんか子供見たくて可愛い)、しばらくするとまた下を向いている。「地面が回ってるでしょ?ほら上向いて!」と言ってまた上を向かす……

そのうち、頭だけ上を向けて、目だけ下を見て「ヘヘーン。君が上向けっていってもぼくこうやって下見えるもんね〜」とか子供みたいなことを言って喜んでいるのを発見。麻酔って幼児退行するのか?知らんかったぞ……

しかし、あれっくすっていつもしゃべりが論理的で難しい言葉をいつも駆使し(哲学教えてるからか?)、人前で酔っ払って醜態を晒したりなどのこともないので、こういういわゆる「だらしない」あれっくすを見るのは、実は5年以上も一緒にいて初めてだったりする私なのです。なので、なんかすごーい嬉しくて、「今日はあれっくすに勝ってる(?)」と秘かに勝利感を感じている私。彼を焼くも煮るも私の考え次第だわ、みたいな(笑)。

車の中でもしきりにあれっくすは、「ねえねえ、ガーゼはいつ変えるの?」と何度も何度も私に聞き、そのたびに「うちに帰ったらまず1回変えようね」と答える私。どうせ何を答えても覚えてないので、時々「ガーゼはずっと換えないの。そのまま一生噛んでるんだよ」と言いたい衝動に駆られました。実は一回言ってみましたが……(←悪魔)案の定その時は「えええ!変えないの?困るなー」とかあれっくす言ってましたが、しばらくしてまた「ねえ、ガーゼは……」でした。はは。

あと、術後あんなに腕時計を凝視していたのに、「手術何分かかった?」というのも聞きたがりました。「20分だよ」っていうと、「すごいねえ、早いねえ」とかっていうくせに、またしばらくすると「手術何分……」。20分と言うたびに、早く終わった、すごいすごいと言っているのですが、その直後に車のラジオに付いているデジタル時計を見て、「ええ、まだ10:30なの?すごい早いね!手術って何分かかった?」と……

それから、妙に自分のべろを引っ張りだして、「ベロが変だよー」と言って手で触ろうとするのも何度でもやってました。「ベロは大丈夫!なんともなってないよ。麻酔で変に感じてるだけだから。触らないの!」とその度ごとに言ってましたが、これは言わないと延々とベロを引っ張りだろうとするので噛んでるガーゼが落ちそうになり気になるため。「ベロは大丈夫!口閉じて〜、上向いて〜。ガーゼが落ちちゃうよ!」とやるのですが、そこでガーゼという単語を出すと、必ず「ガーゼはいつ変えるの?」と聞かれる私。ああ面白い。運転どころじゃないですわ。

ちなみに、これらの行動はあれっくす、案の定麻酔から完全に覚めたときは覚えてませんでした。部分的に「ドクターになにかを質問したら、奥さんが知ってると言われた」「ぱたに手術は20分で終わったと言われてびっくりした」というのは覚えてるんだけど、あとはよく覚えていないらしい。夢から覚めたときみたいな感じなのかなぁ。

さて、私はあれっくすをアパートに寝かせたあと、処方された薬をもらいにドラッグストアへ。(本人は「なんか歩くと変な感じで気持ちいい〜。ぼくも一緒にぱたと行くよ〜」なんていっとりましたが、そんなん無理じゃーと言って無理矢理寝かせました)しかし、クリスマス前で「休暇前に予備の薬を受け取りたい人」がものすごい順番待ちをしているようで、ドラッグストアの薬局では「申し訳ないけど2時間ほど待ってください」と言われる。

しょうがないので、いったんうちに帰って2時間待ち、リビングでウトウトしているあれっくすの顔を見ながら家の中のことを片付けて3時間経ったあと(あの様子だと2時間じゃあまだ出来てないかも、と思って)またドラッグストアに行ってみるが、朝行ったときから全然状況が良くなってないみたいで(もっとたくさんの人がいっぱい待っているようであった……)他に待っている人には「申し訳ないですが、今日はもう難しいので、処方だけ受け取っておきますから薬は明日取りに来てください」とか言ってるようでした。そんなに混んでるのか。

私が「あのぉー」と出来てるかどうか聞いてみると、「あぁ、ぱたさんですね!まだ出来てません、申し訳ないけど、あと2時間ほど待ってください……」とのこと。えええ?て感じですわ。「さっき2時間待ってくれって言われて、3時間待ってから来たんですが」と言ってみると、「そ、そうですか……でしたら15分くらいでやりますから、もうちょっとだけ待ってください」なんていわれましたが、案の定そこから30分ほど待たされます。そして、他に待っている人が「なんですぐにできないんだ!もう45分も待ってるぞ!」とか言って声を荒げているのを観察したりしているぱた。

しかし、1時間も待つころには心配になり、「あのぉ、オットが親知らずを抜いたんですが、そろそろ麻酔がきれるころなんです。痛み止めは早くいただきたいんですが……」と言ってみると「ハイハイ!ただいま!」とか言ってるけどもちろん全然呼ばれません。はぁ〜。結局最初に言われた通り2時間ほど待ってやっと薬が出来上がり、あれっくすが待つアパートへ急行。案の定とっくの昔に麻酔が切れていたようで、あれっくす「歯が痛い……歯が痛い……」と非常に苦しんでおりました。ごめんよー。

すぐにもらってきた痛み止めをがばっと飲ませて、「すぐ効いてくるからねー、すぐ楽になるからねー」と励ます私。あれっくす顔色は真っ青で、「痛い……痛い……」とうなりまくり。しかし、何が出来るわけでもなく、さするところもなくで私は見守るのみ。なんか無力だわー。

20分ほどで痛み止めが効いてきたみたいで、またうとうとしだしたのでほっとします。はぁぁ。

しかし、私も赤子を産むときは、このあれっくすのように痛い痛いとうなって、あれっくすをして「ぼくは無力だ」とか思わせるんでしょうかねえ。痛いほうも辛いけど、痛いと言われてそれを何とかしてあげたいけどなんとも出来ないほうも辛いですよね。

この後は、ちゃんとドクターの指示通り薬を時間が来たら飲ませて、柔らかくて熱くない食べ物(アイスクリームとバナナを潰したもの)を食べさせ、うがいをさせて、ガーゼを取り換え(笑)、ナイチンゲールのように週末はあれっくすに尽くした私でした。ちなみにあれっくすは、当日と次の日はおたふく風邪を引いたような顔をしてましたが、血もすぐに止まって痛みもわりと早く引いたみたいで、処方された痛み止めを飲むと眠くなるそうなので(それに、そんなに痛くなくなったらしい)、タイレノール(という、アメリカでは非常にポピュラーな市販痛み止め)に切り替えて、日曜日はわりと平気そうに私と一緒に買物などをしておりましたし、夕飯も、おかゆにお肉を小さく切ったすき焼きを乗っけて冷ましたものを出したら、ハムちゃんみたいに前歯で噛んで食べてました(頬っぺたが腫れてるのも、はむちゃんそっくり)。よかったよかった。

というわけで、あれっくすの初体験、「歯茎を切開して親知らずを取りだす口腔外科手術」は無事終了した模様です。術後も順調、このまま早く良くなって欲しいですなあ。「みんなに頑張れって言われたよ」って言ったら、感激しておりました。みなさん、あれっくすに励ましの言葉、本当にありがとうございました。


12/24/2001

■腹痒い痒いと帝王切開補足の巻。

クリスマスイブのぱた@会社です。26日までにどうしても仕上げないといけない仕事があり、クリスマス休暇返上で会社にきて働いております。オフィス内だけどころか、ビル全体が人気が無く、ゴーストタウンみたいでめちゃ怖いです。トイレに行くのも恐る恐る。

日本じゃクリスマスイブに仕事してて恋人もいないっつーのは歌の歌詞になるくらいの状況で、それはそれは惨めだろうなと推測できるってものですが、アメリカではクリスマスイブは「恋人達の日」ではないので、今日仕事してるからって言って別にそんな「日本的に惨め」という気はしませんな。まあ、既に結婚しててパートナーもいることですし。

しかし、アメリカのクリスマスっていうのは、日本で例えると「元旦」って感じですので、「元旦の朝から会社に来て独りぼっちで仕事してる……」というアメリカ的な惨めはたっぷり感じているぱたです。同僚からは「いくら仕事が詰まっててもクリスマスくらいは休みなよ」といわれましたが、それって日本的に「忙しいのは分かるけど、元旦くらいはうちにいてのんびりしたら」と言われるみたいな感じだろうなと推測しております。

しかし、私はクリスチャンでもなんでもないですし、別に休んだからって何かいいことがあるわけでもないので(この時期は皆が休みなため、モールもどこのお店も超混み混みで、どこに行っても人いきれで気持ち悪くなる)、働け働け馬車馬のようにー。をモットーにがんばっとります。

いや、実は種を明かすと「ぱたは妊婦でこんなに働いていて可哀相に。じゃあ、24と25に出勤した代わりに、27と28に代休として有給休暇を取ることにして、12/27から1/1まで6連休にしたら?」と提案してもらえたので、そっちに飛び付いただけの話です。こうやって連休が取れる状態になっているところに、NYからはるちゃん一家がデトロイトに25日から5日間の日程で遊びに来てくれることになり、皆よりもちょっと遅れてですが休暇を楽しく過ごすことが出来そうです。プロジェクトに追いまくられている妊婦にも楽しみは必要じゃあ。

さて、最近の体調の変化。実は3〜4日前から、腹の皮が異常にかゆいんです。おへその下辺りから下腹全体にかけて、ほんとに痒くて痒くてたまらない。やはり最後の月にこのような目に遭う妊婦は結構多いようで(ホルモンの関係?らしいです)、掲示板でも「痒かったです」って良く見てたんですが、自分がそうなって「やはり私もか……」と気が付きました。妊娠線なるものはまだ出てないのですが(このまま出ないで済むかな?)おへその下辺りの正中線の辺と、その右側が赤くなって、見ただけで痒そうな雰囲気を醸し出しています。っていうか、実際痒いです。

しかし、掻くと腹の皮が痛がゆーくなるので、あまり掻きたくない。しかし痒い。で、掻いちゃってその時は気持ちいいんだけど、お腹の皮が真っ赤になって余計痒くなり……でもこれ以上掻くと痛くなるかもだしなあ、なんて思いつつ。ああ、仕事もこのまま一気に片付けて予定よりも早く産休に入れるか?なんて思っていたのに、この痒さのせいで全然集中できないんですよ。こうやって駄文をだらだらと書くのは平気なんですが、仕事は集中しないと出来なくて、集中しようとすると腹の痒さのせいで気が散る、と。ううう。「つわりで仕事ができなくなったらどうしよう」と心配して、実際つわりがなくて平気だったので妊娠を甘く見ていましたが、この腹の痒さで仕事ができなくなるとは……とんだ伏兵ですわ。

かゆかゆ攻撃のほかですが、妙にハイパー&ハイテンションです。この時期(アメリカ式で言ってももう9カ月入りました)、普通ならお腹も重くて動きも鈍くて、できることならお家でゆっくり休みたいわーって思うころだと思ってたんですが、私は予想に反して妙に動きまくっています。まるでマグロの回遊(止まったら死んじゃう!みたいな……)。朝も目覚しかけてなくても6時くらいに自然に目が覚め、その後は寝てられない。がーっと起きて、朝から家の中をうろちょろし、8時回ったら「ああ、お外にでてお買い物してこよう」と早くから開いてるお店に買物に行き、少々重いものでも平気で持ち(妊娠初期から中期のころは、箸より重いものはもちませーんっていう態度で、全部あれっくすにさせていたのに……)、うちに帰ってもなんだかんだと動きまくり。テンションが高いので、あれっくす相手に上ずった声でしょうもないことをしゃべりまくってるのにふと気が付いたりして。

あれっくすに「カフェインでもこっそり大量にとってるのか?なんだその落ち着きのなさは……」と怪しまれていますが、これもホルモンのせいでしょうかねえ……それとも通常よりも血圧が高いから?自分でもすごい不思議なんですよ、元来私はだらけている状態がデフォルトで、こんなに自発的に動くことはないですから。まあ、こんな状態なのもきっと期限限定でしょうから、今のうちにしっかり「はいぱーぱた」を利用しなくては、と思っています。

追伸)
12/20のところで書いた「帝王切開の謎」ですが、一つ訂正が。
英語では十二指腸のことをDuodenumと言い、それには12も指も入る余地が無い……と書きましたが、実際このDuodenumはラテン語が語源らしくて、duo-decimが12という意味らしい……という報告を従姉のまきぼおさん(彼女が掲示板に書き込んでくれたので、このハンドルを採用)から頂きました。よく調べないで断言するものではないな、と反省するぱたです。

ちなみにドイツ語のKaiser(皇帝)も、もともとはやはりラテン語のCaesarから来ているそうで、やはりどの言語でも最後はシーザーにたどり着く仕組みになっているようです。さあて、このCaesarが、ジュリアス・シーザーのことなのか、ローマの作家プレニウスが勘違いしただけなのかはわかりませんが、こう考えてもジュリアス・シーザーは偉大ですな(え?そうか?)。これでみなさん、シーザーのことは忘れないですね。

シーザーマメ知識:
ちなみにシーザーは紀元前46年ごろに、ギリシャの学者に頼んで太陽暦を作ったこともあります。この暦は、365日が1年で、4年に1日うるうを置く、という、現在のカレンダーに非常に近いものです。すごいですな、古代の技術。この暦は、「ユリウス暦(ジュリアス、と言うのをおそらく該当する言語で呼ぶと「ユリウス」なのですな)」と呼ばれます。ちなみに今の暦は、1582年にこのユリウス暦が何度か改訂されて出来た「グレゴリウス暦」です。

ちなみに、自動車業界でも「ユリウス暦による日付」というような単語がでてきますが、これは1/1を1として、日付順に数字を振っていくカレンダーです。つまり、1/31が「31」で、2/1が「32」、2/10が「41」ってなっていくわけですね。この数字で、2001年の何日目に部品が作られた、とか組み立てられた、とか言うようです。

脱線ついでにもうちょっと書くと、英語にしてもドイツ語にしても、この辺の言語ではラテン語がベースになっている単語が多いみたいですね。アメリカの小学生がやる「綴り大会(順番に当たって、与えられた単語の綴りを間違いなく順番に言っていく大会。間違えたらアウトで、最後まで間違えないで残った子が優勝。それにしても、この大会見て思ったんですが、ほんとに君ら子供か?辞書丸ごと全部覚えてるんじゃないか?というくらいすごいです)」でも、ヒントとして「何語がベースになっているか」というのを教えてもらえるそうですが、ラテン語がベースになっているという単語だとかなり綴りが難しい、とかってあれっくすがゆうとりました。

医学用語なんかもラテン語ベースが多いようです。日本語だと、心臓科、とか、皮膚科、とか、小児科、とか「担当する臓器(や患者)+科」で、素人さんにも分かりやすい用語ですけど、英語だと、普通使っている臓器の単語とはかけ離れた言葉になりますので、覚えるのが非常に大変。

最近私がかかわったドクターでも「おぶすてとりくす」「がいなころじー」「かーでぃおろじー」「おぷさるもろじー」「でんてぃすとりー(これはすぐわかるか)」「ぴでぃえとりくす」「おーそどにくす」などと、「外国人に覚えさせたくないと思ってわざとそういう言い方してんのか?」と疑いたくなるようなラインナップです。

ちなみに日本語では「産科」「婦人科」「心臓科」「眼科」「歯科」「小児科」「矯正歯科」です。これなら見ただけでわかるのにねー。

さすがに産婦人科や小児科などは、妊婦のためによく会話にでてくるので覚えましたが(でも、オブステトリクス&ガイナコロジーの発音が怪しいので、いつも“OB GYN”と頭文字で呼んでごまかしておる私←でもアメリカ人も普通はOB/GYNって言ってるしいいのだ)、そのほかは「なんとかドクター」とか「ドクター・オブ・なんとか」と言って、周りの失笑を買っている私です。しかし、失笑されたほうが、致命的に恥ずかしい間違いをして、周囲の人間の時間を浪費するよりはましです。

「わあ、この駐車場、車から降りてゆっくり歩いてる人が多くてじゃまだよねえ、運転しにくいね」と同僚に言おうとして、「この駐車場、小児科医が多いね」と言ってしまい、「え?なんで小児科医だってわかるの?」「だって歩いてるじゃん……」「歩いてる人みんな小児科医なの?ここって病院の近く?」「病院の近くじゃないと歩いちゃいけないの?」「え?なに言ってるのぱた??」というかみ合わない会話を交わした揚げ句、私が歩行者(ペデストリアン)のことを、小児科医(ピディエトリシャン)と言い間違っていることに気づかれてエライ恥をかきました。それ以来「ウォーキング・ピープル」、「ドクター・フォー・チルドレン」と言いたくなる衝動にいつもかられます。

ちなみに、ペデストリアンもおそらくラテン語ベースの単語なんでしょうね……ラテン語嫌い。


12/29/2001(35週目)

NYからお友達夫婦が5ヵ月のベイビーと共に遊びに来てくれました。たまごにもよく出てくる「はるちゃん」です。

はるちゃんとは、はるちゃんがダーリンと結婚する前(約2年半くらい前だから、ぱたのうちを始めてちょっと経ったくらいだったのですなあ)、永住権のことについて「ぱたのうち」をみて私に質問!メールを出してきてくれたのがきっかけでメール友達になりました。当時は質問メールをくれる人なんてかなり少なくて、直接メールをもらった私は嬉しくて、はるちゃんとメール友達になって文通が始まったわけです。メール友達になってから、一緒にシカゴに遊びに行ったり、混んでいて有名なマンハッタン移民局管轄ということで、日本に1回帰って移民ビザをとる方法を選択したはるちゃんがあっという間にビザを取ってアメリカに戻ってきたときは、デトロイト空港で会ったり、私がNYに遊びに行ったりと、現実にも遊ぶようにもなり、「もうちょっと近かったらいいのにねえ」などとよく話したりしておりました。

で、去年はるちゃんが妊娠したときも、「同じ時期に妊娠したら、情報交換とかできていいのにねえ」なんてはなしてたんですが、まさかそれが本当に現実になるとは……6ヵ月遅れで私が妊娠し、はるちゃんに色々情報をもらってありがたやありがたやー。という「一方的に情報をいただく立場のラッキーな後輩」になった私でした。

私が後一ヵ月くらいで産むということは、つまり、はるちゃんの赤ちゃんはもう5ヵ月ということです。本当は、はるちゃんの出産後、ベイビーシャワー(産後だけど)のパーティに参加しにNYに9月に遊びに行く予定が立っていたのですが、行く予定が例の事件の3日後だったために、キャンセルとなってしまいました。強行したくても、飛行機が飛んでなかったので無理だったのですね。なので、はるちゃんベイビーにまだあえない……と悲しく思っていたわけです。

ところが、このクリスマス休暇、はるちゃんが「家族でデトロイト遊びに行こうかなあ。車で12時間くらいでしょ?いくわ!」といきなり決心をしてくれて、私もうまいこと連休が取れそうだったので急きょはるちゃんベイビーとのご対面が実現。

しかし、彼女達が来てくれる日に限って、雪は降るわ気温は摂氏で-10度近くまで下がってるわで、本格的なミシガン冬将軍到来。元々ミシガンなんて観光都市でもなんでもないので見るところもないというのに、この気候で申し訳ない気持ちでいっぱいです。ううう。さらに、ミシガン州の有名な「ミシガンターン」(←ミシガンでは主要道路では交差点で左折をすることが出来ず、行き過ぎてからUターンレーンに入って少し戻って右折をする、という仕組みになっており、他の州の人が来るとたいてい「どこまで行っても左折禁止なんですけど……どうやって左にいくんだ?」と疑問に思われること請け合いの道路なのです)が出来なくて、「いったいどうなってるんだ!」ってなって迷ったよ……と言われて、さらに申し訳ないことしきり。

しかし、はるちゃん家族がデトロイトに滞在している5日間は、とにかく遊びまくりました。私も会社休み、あれっくすも冬休み、何も気にせず伸び伸び出来るわけで、せっかく来てもらったんだからと美術館や科学博物館、モールやアウトレットなど行きまくりました。それにしても、毎日、昼間でも氷点下-10℃の気温、風でもふけば体感温度は-30〜40℃くらいに下がるであろうデトロイトで、臨月間近の妊婦と5ヵ月の赤ちゃんを連れたマミーが遊びまくっているとは……

はるちゃん夫婦は最寄りのホテルに泊まっていたので、そのホテルのプールで泳いだりまでしました。さすがにはるちゃんに「大丈夫なの?疲れたらいつでも言ってよ」「ほんとに9ヵ月の妊婦か〜?」などと何度も言われたものでした……自分でもちょっと思ったくらい……

あれっくすにも「信じられない、こんなにハッスルして一日中遊んでて平気なんて。いつもすぐ『疲れた〜』なんて情けない声だして僕にいろいろやらせるのに」などとまで言われてしまい、今まであれっくすを使っていたのは「仮病」ならぬ「仮妊婦症状」かと疑われてしまったりもしつつ……

というわけで、この休暇は一瞬もメールもインターネットもせずに遊びまくっておりました。「最近ネットにでてこない」「更新もない」と心配して下さった皆さま、申し訳ありませんでした〜。ぱたは元気にラスト1ヵ月の妊婦をしております。腹は相変わらずかゆいです。



1/1/2002

■後期にもつわりが?の巻。

明けましておめでとうございます。ついに2002年ですね。昨年中はお世話になりました。今年もよろしくお願いいたします。

なんか、アメリカに住んで6年目になるせいなのかなんなのか分かりませんが、お正月があまり重大行事じゃ無くなってきつつある気がします。クリスマスとかサンクスギビングはそれなりに盛り上がって、事前に計画立てたり準備したりするのに、お正月っていつの間にか来てあっというまに終わってる……という感じ。

今日も気が付いたら「え?元旦じゃん」というわけで、さすがに年も改まってるのに更新ナシってのもまずかろうということで、慌ててこうして書いております(ちなみに、上の日記は、去年中に書いていたのですがネットにつないでなかったのでアップしていなかったわけです。なので今日まとめてアップ)。

大みそかはちゃんと年越しそばもあれっくすと食べましたし(その後カウントダウンをしてリンゴサイダーで乾杯したという、和洋折衷年越し)、今日もお雑煮を朝から作って美味しく頂きました。ちなみにうちのお雑煮は、母が作ってくれていたもののコピーなので、信州風の「鳥肉やら大根やらニンジンやら椎茸やらいろいろ入ってる昆布カツオだし醤油味+焼いた角餅を入れる」です。ちょっと高いですけど、日本スーパーで三つ葉を買って入れました。これ入ってないと、なんか自分でも、お雑煮なのかごった煮なのか分からなくなる気が……

さて、去年の休暇でははるちゃんが遊びに来てくれて、妊婦らしからぬ「最後の遊びまくり活動」を展開したぱたですが、はるちゃん家族がNYに帰った後、あれっくすに「ちょっと休んだら?」と言われて、おとなしく言われる通りにリビングで横になって体を休める日々を送ったのですが、どうもそれがよくないようで。

とにかく休んでいると、気分がめちゃくちゃ悪くなるのです。胸焼け、胃のむかつき。です。

つわりがなかったので、「私の妊娠は吐き気もなくらくちーん」と思っていたのですが、この後期の胃のむかつきにはホトホト悩まされております。ひどいときは吐くくらいで、かなり辛いときも多し。「こ、この期に及んで妊娠が辛くなるとは……とほほ」と思っていたのですが、よく考えてみると、はるちゃんが遊びに来ていて、一日中遊び狂っていたときは、まったく気分悪くならなかったのです。ヘビーに中華やレバノン料理を毎日たらふく食べまくったのに何ともなかったわけです。

で、じゃあ疲れただろうから体やすめて。となると途端に気分が悪くなる。気分が悪いからさらに横になっているともっとひどくなる……何だろうこれ?と思ってよく考えたら、「横になると胃が気持ち悪くなる」ということに思い当たりました。気分が多少悪くても、モールを歩いたりしてるとその気分の悪いのがすーっと治るんですよ。「え?さっきまで気分悪かったっけ?」って思うくらい楽になっちゃうのです。で、アイスを買い食いしたりするわけです。

また、モールで散歩まではしてなくても、体を起こして座った姿勢で休んでると、ほとんど気分は悪くならないのですな。ご飯食べたりの時は体を起こしてるから平気なわけなのですが、その後「食べたものを消化しないとね〜」なんてぶっこいてだらけて横になると、あっというまに気分が悪くなると。

どうやら、体のポジションに関係があるようですわ。私もよくわからないのですが、体を起こしていると、重力て子宮やらなんやらの内臓が下の方に落ち着いてるんじゃないでしょうかねえ。なので平気と。で、横になると、内臓がひらべったく広がってくるので(実際そうなってるのかは分かんないけど)、胃を圧迫して気分が悪くなるんじゃないかと推測しました。

で、その仕組みに気が付いてから、出来るだけ横にはならずに体を起こしている、こまめに外(というか、外は寒いのでもちろん行き先はモール……モールを歩くと、つい、赤ちゃん用品に目が行って買物をしてしまうので、経済的にはキビシイですが。笑)に出掛けて散歩する、ということを実行してみましたところ、まったく気分が悪くならないことを発見。なんだー、気分が悪いのは横になって休んでいるからなのだなーと分かり、気も楽になったってものです。

というわけで、そろそろ臨月妊婦となるぱたですが、「ほんとに後4週間で産むのか?」と思われるほど活動的に動いております。ダラダラしたら辛くなるだけなので、家にいてもがたがた何かをしております。人に「今でもよく動いてるし、散歩もよくしてる」という話をすると「いやあ、ちゃんと動いてて偉いねえ、安産になるよぉ」と褒められますが、別にベイビーのために母性本能でやっている訳ではなく、気持ち悪くならないようにとあくまでも利己的な理由なのがぱた風ですな。しかし、そう明かさなければ誰にも分からないわけで……「模範的な優等生妊婦」ということにしておくのが一番でしょう。

ちなみに、体重今で12キロ増えております……あのぉ……1週間前は10.5キロ増だったんですが、この休暇にどんだけ食べたんだ?と叱られそうな増加です。産むまでに15キロで押さえられるかが今後のぱたの課題ですな……ちょっと横になって気分悪くしてたほうがいいのかも知れません。

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