ぱたのたまご・孵化編 前半

/ 妊娠二ヵ月 (発覚〜7週)/
/ 妊娠三ヵ月前半(8〜9週)/ 妊娠三ヵ月後半(10〜11週) /
/ 妊娠四ヵ月 (12〜15週)/
/ 妊娠五ヵ月前半(16〜17週) / 妊娠五ヵ月後半(18〜19週) /
/ 妊娠六ヵ月 前半(20〜21週)/ 妊娠六ヵ月後半(22〜23週) /
/ 妊娠七ヵ月前半(24〜25週) / 妊娠七ヵ月後半(26〜27週) /
/ 妊娠八ヵ月前半(28〜29週) / 妊娠八ヵ月後半(30〜31週) /
/ 妊娠九ヵ月前半(32〜33週) / 妊娠九ヵ月後半(34〜35週) /
/ 妊娠十ヵ月前半(36〜37週) / 妊娠十ヵ月後半(38〜40週+) /

/ 出産レポート前半 / 出産レポート後半 / 出産レポートその後 /
/深夜陣痛に気が付いて七転八倒から午後4時前まで/
/ おまけ「無痛分娩について」 /


ぱたのたまご本編の方の、この前のページの2/1/2002の所から読んでいただけるとお分かりの通り、ぱたの出産は2/1あたりからじわじわと始まっておりました。

ゼンカイマデノアラスジ(詳しくはここをクリック

1/30の予定日になってもなんの兆候もなく、会社に出社して仕事をしたぱた。

1/31も何もなく、ヒマヒマに過ごす。万が一産気づくと困るってことで、遠くに遊びに行けなくてつまらないことこの上なし。

2/1になり、ちょっとそこまで外出したところ、陣痛らしきモノ(←しかし、なにぶん初めての経験な為、陣痛なのかどうか判断が出来ないぱた)が来る。

更にその後「おしるし(出産が近づくと起こる膣からの出血)」が来たことに気が付く。ドクターの内診では子宮口が1センチ開いているとのこと。

2/2にはお産かしらー。などと思ったのに、2/2は全くなんの兆候もナシ、あれっくすとぱた母を一日中緊張させてしまう結果に。

しかし、夜半過ぎから2/3にかけて、また陣痛らしきものが!最初は間隔ばらばらだったのですが、2/3の朝6時半頃から7分間隔で規則正しく陣痛が来るようになった。

これは産気づいたったところでしょう!と思い、勇んで病院に向かったところ、陣痛も5分〜7分間隔だし、子宮口も1センチしか開いてないし、まだまだだから一旦家に帰るように言われる。←すごい悔しい。

で、一旦家に帰って陣痛がもっと近づくのを待つことになったんですが、暇なのでぱたのたまごを更新したりしていたわけで。

で、夕方4分間隔までになったんで、また勇んで病院に行ったら、いきなり陣痛が遠のいてしまい、10分ほど陣痛が来ないことをモニターで確認されてしまいました。そのため「一度お帰り下さい」を再び宣告されるぱたとあれっくすだったのでした……

で、本編の孵化編です。おまたせしました。

2002年2月3日、本日2回目の“産気づいたと思って病院に行ったら、お帰り下さいと言われた”をくらってしまったぱたとあれっくすは、がっくりしつつお家でぐたぐたしていました。

本当にまだ出産の兆候がないから返されたんだろうし、別に産まれないから誰が悪いとか言われたわけじゃないんだから、別に気にしなきゃいいといえばそうなんですが、ぱたもあれっくすも「帰りなさい」と言われるたびに、何だか「あなたはまだ産めないのよ」「はやとちりしちゃってもー」と思われているような気がして(←というか、看護婦さん達は本当にそう思っていたことだろう……)、何だか“失格です”って言われたようで意気消沈していました。

しかし、疑惑のまなざしで見ている看護婦さんに「ホントにさっきまで4分間隔で陣痛が!痛かったんですぅ!」と訴えてみても、モニターに映る“陣痛の山グラフ(腹にジェル塗って、エコーの機械みたいなのを取り付けると、そういうのがモニターにでるんですよ)”は非情なくらいにハッキリと「ぱたちゃんは陣痛の山は低いし、間隔は10分ですな」と宣告していたのでありました。

で、2回目に病院行ったときは、さすがにもうここで出産のために入院するものだと信じきっていたために、「絶対今度は本物です!痛いし間隔も短くなったし!」と絶叫しておいて、検査の前に腕輪(入院患者が手にはめるやつ。名前とかそういった情報が載っている)付けてもらったんですが、返されるとなると、この腕輪の立場は……?って思っていたら、「この腕輪は今日一日は有効だから、後で本当の陣痛が来たときに、まだ2/3だったら使えますから、今日の真夜中過ぎるまではこのまま付けてていいですよ。」なんていわれました。

その言葉を聞いて、腕輪の件はどうでもいいんですが、「本当の陣痛って何よ、本当の陣痛って!私のこの陣痛が嘘の陣痛だとでも?!」と変なところで腹がたつ。しかし、モニターが「だからぱたちゃんの陣痛は本物じゃないって」と無慈悲に証明しているわけで、そんなセリフを口に出しても負け犬の遠吠えにしかならんとちゃんと分かっていた私は、「ハイ分かりました」と力なくつぶやいたのでした。

そしたら更に追い撃ちをかけるように、同じナースに「本当の陣痛が来たら、それはもう“立ってもいられない、歩くなんてとんでもない、勿論口も聞けない”くらいの状態になりますからね、すぐ分かりますよ。今みたいに、自分でちゃんちゃんと立って歩いて病院来て、受付で入院手続きなんて出来ないくらいになりますからね」なんて言われるぱた。はぁ〜。嘘の陣痛で入院手続きしちゃって悪かったなーホントにもー。

そしてその夜、「もう病院に行ってくるね〜、産んでくるね〜」と早まって連絡してしまった友人に、「まだって言われちゃった……今家にいるの」と淋しく電話連絡を。ぱた母もメールであちこちに連絡してしまったようで、慌てて「まだみたい」と書いてるし。

だいたい「まだだった」ってはるちゃんと電話している間中、全然陣痛来てなくて、あとで時計見たら20分以上陣痛がない状態だったわけで、やっぱり今日無理言って入院させてもらったとしても、スタンバイしているナースやドクターの前で「あれ〜?陣痛全然ないですね……おかしい……」って気まずい入院生活を送らないといけなくなってたかも知れないなー、と自分を慰めてみたりしました。

ところが。事態はすぐさま変わったのでありました。

友達との電話を終え、「今日はなんか疲れちゃったから早く寝るよ」と11時になる前にベッドに入ったぱた(勿論例の腕輪はその時点でちぎり取った……むき〜)だったのですが、12時を過ぎた時点で、またなんか陣痛みたいなのが来た気配が……

一応時間を計ってみたところ(もう、数日前からこの繰り返しなので、ストップウォッチ機能のついている時計を腕にはめて常備しているぱたでありました。若かりしころ、日本で狂ったようにGショックを買い集めたことを秘かに後悔していたんですが、やっと役に立つ日が……笑)、10分間隔。痛さは、昨日病院に行った時とさほど変わらない感じ。うーむ、これって本物の陣痛?それとも「お家にお帰りなさい」って言われるようなやつ?とベッドの中でしばし考える。

しかし、結論として「あー、また偽の陣痛かぁ〜。2日前と一緒じゃん、夜になると陣痛らしきモノが忍び込んできてさー。で、どうせ“まだ本当の陣痛じゃない”なんて言われるんだろうなー」と思ったぱた。そりゃ、2回も病院から帰されたらそう思うのも当然なところでありましょう。

きっと、さんざん「狼が来たぞ〜」って吹聴してしまった場合(それが例の教訓話のようにいたずらではなくて、見間違いで枯れ木を狼と思って吹聴し、更に飼い犬を狼と思って吹聴したような、純粋に勘違いだったなんて言う罪のないケースだったりして)、その直後に道で目がらんらん、口があごまで裂けてる恐ろしげな犬っぽい動物に出会っても、あれ?これって本当の狼?しかし、やっぱり見間違いかなー。今度狼が来たって言ったら、村の人にバカにされるかも。なんて躊躇して、その狼に食い殺されちゃうんでしょうな。

で、「これは本当の陣痛じゃない」と思うことにして寝ようと思ったのですが、「イヤ、万が一のためにシャワーだけでも浴びとこうかなあ?」「いやいや、そう思っていつも陣痛らしきモノが来たらシャワー浴びてたのに、いつも違ってたじゃん。今ごそごそシャワー浴びるのはばかばかしいよ」「そうだそうだ、寝たほうがいいって今日は身体的にも精神的にも疲れたんだし」「でもー。やっぱりシャワー浴びといたほうが……」なんて、心の中で複数のぱたが議論しているうちにうつらうつらしていたのですが、はっと深夜1時半くらいにまた目が覚めました。

なんか、腹の痛さが尋常じゃないんですけど。

ストップウォッチで間隔を計ると、またまた10分間隔。間隔が狭まってないんだからやっぱり本当の陣痛じゃない?という気もするが、のうのうと眠っていられないくらいに痛い気がする。うーん、やっぱりシャワーだけでも浴びとくか、と思ってごそごそ起きだしてバスルームに行ったのですが、タブに入ってシャワーのお湯を浴びてるうちに「う・う・う」と声が漏れるほど痛くなってビックリ。

どんなふうに痛いかというと、超下痢の痛み+腰の方に巨大な万力を締めつけて、さらに左右に引っ張られてぐぉぉ〜!と責めさいなまれている感じ、でしょうか。まあ、陣痛の痛みって過ぎちゃうと忘れちゃうわけで、これを書いているときも既にもう記憶に遠くなっていって、どんなふうなって言い表しにくいんですが、痛みの渦中の時に「万力で締められてるようだよ〜」と思ったことを覚えているので、これは自分でもかなり信頼できる描写かと思います。

そして、痛いうえに吐き気までしてきて、このあと体洗ったりシャンプーしたりという気にまったくならなくなり、ひゃー、やっぱりおとなしく寝てたほうが良かったかなー、なんて思いつつこらえていると、30秒ほどで痛みは去っていったため、「今がチャンス!」と超特急で体と髪を洗うぱた。

急いだおかげで10分以内に洗えたと見えて、お風呂から上がるまでは痛くなかったのですが、新しいTシャツを取ってこようとしてクローゼットに入った途端、また痛みが!お風呂の中で感じていた痛みよりも更に5割り増しくらいの痛さで、とても我慢できずにクローゼットの中で全裸(で腕にGショックだけをしている)で座り込んでしまう私。

また30秒ほどで痛みは去るのですが、下着はこれで、Tシャツはこれで……なんて選んでると、またきゅ〜〜〜!と痛みが。おいおい、これって何分間隔よ!と計りたいのですが、とにかく痛みが来てるときは何も手に付かないほどで、服を右手でつかみながらまたまた全裸でこらえる私。

痛みが去った後、濡れた髪を何とかしないと……とバスタオルをまき直し、ストップウォッチで間隔を計り、あああ、生理用のナプキンはバスルームだったよ……(←おしるしの後、オリモノが増えていたのでナプキンを当てていたのだ)なんてうろうろしているうちにまたもや陣痛が!今度は床に倒れ込んでしまい、「ヒッヒッフ〜、ヒッヒッフ〜」と呼吸法を思い出してみるも、息も詰まるような痛みでなんの変化もナシ。これってマジ?と思いながらストップウォッチを見ると7分間隔になっている。

この辺に来ると、腹の痛みよりも腰に来る痛みの方が痛くなってきて、ななめうつぶせになって腰を自分の両手で押さえて、渚に打ち上げられたトドのようにビクッビクッと動くことしか出来ません。そしてマヌケにも「ヒッヒッフ〜」とか言ってるわけで。

こうやって、クローゼットの床でうずくまりつつ4回分の陣痛をこらえた後、どうやらバスルームに戻ることが出来、身繕いと、ドライヤーで髪をだいたい乾かすのに成功。しかし、時間はもう既に3時すぎであります。

必死の思いで新しいパジャマに着替えたのですが、その期に及んでも「ここで狼がきたーって言っても、信じてもらえないかも……しかもこんな深夜だし」と思ってしまい、そのまま寝ていた布団に戻ることにしました。しかし、きっちり陣痛が定期的にやって来て、そのたんびに布団でものたうち回ることに。

しっかし、間隔を計るなんて、時々で良かったのに、毎回毎回間隔を計っていたため、前の陣痛から計って、ストップウォッチが「6分30秒」を示しだした辺りから心臓がドキドキし、「くるぞ、くるぞ〜」と思って緊張しているため、いざ来たときの痛みってそりゃすごいんですよ。しかも、来る前の数十秒も緊張して待っているために(陣痛がひたひたと近づいていることを刻々と変化するデジタル数字によって感じて、陣痛本体が来ているときよりも怖い思いをすることに)、余計に陣痛が長く感じるし。

ううう……昨日までの陣痛は、そりゃ嘘の陣痛だわ……これが本当の陣痛だとしたら、昨日までのはまさに前座、看護婦さんが「本当の陣痛が来たら」って言うのも道理、スマン心の中でFワード付きの悪態をついちまって……と痛感しながら「ヒッヒッフ〜」をひとり繰り返す私。

あんまり痛いので、あれっくすをたたき起こしてやろうかとも思ったのですが、この数日「生まれるかも?!」「今度こそホント!」と何度もやったせいで、あれっくすはぐっすり眠れずこまめに起こされるし、いつもいつも緊張していて非常に疲れているようで、なんかそんな状態の時にまた起こすのも悪いなあ、どうせまた「陣痛が来た!」って言っても、「そんなのきっとまた偽物だろ〜、朝まで待とうよ〜」なんて言われるかも知れないしなあ……「今度こそホントのホント!」とか言ってあれっくすと議論するパワーは全然ないし……なんて思ってしまってためらってしまいました。

あれっくすを起こすのにためらうくらいだから、「病院に電話して、今度こそ行ってもいいか聞いてみよう」なんて思えるはずもなく。2回までは「いますぐに来て下さい!」と言ってくれた病院も、3回目はさすがに「おいおいまたかよーこの困ったちゃんはぁ」なんて思われて、「とりあえず朝まで待ちなさい」って言われるんじゃないかな、なんて気を回してしまうのでした。

そのため、一人陣痛に耐えるぱたの図@4:30am。もう痛みは、まさに先の看護婦さんが言っていたように“立ってもいられない、歩くなんてとんでもない、勿論口も聞けない”くらいの状態であります。

そして、一人でこんなに耐えている陣痛の波の間、ぱたはラマーズ法に関するものすごい発見をしてしまったのでした。しかし、最悪のタイミングで……

ラマーズ法:ラマーズっていう医者が提唱した陣痛乗り切りの方法?でしたっけ。いわゆる夫婦一緒に「ヒッヒッフ〜」の呼吸法を学んで、陣痛の時はそれで乗り切ると陣痛の痛みがマシになって楽に乗り切れるようになるっていうやつ。チャイルドバースクラスなんかでも練習したし、出産に詳しくない人でも「ヒッヒッフ〜」ってのはどこかで聞いたことがあるかと思いますわ。

で、なにがぱたの発見かっていうと、ヒッヒッフ〜ってやっても別に痛みって和らがないっス!ってこと。練習してるときは「こうやったら痛みがマシになるのね。忘れないようにいっぱい練習して頑張ろう」なんてけなげに思って、家であれっくすと練習したりしたんですけどね。まったくなんの変化もないっすよ。痛いのは一緒、呼吸法くらいでどうにかなるような痛みじゃないんだってば陣痛って。

で、陣痛の最中、「ラマーズ法はインチキ」という真実にたどり着いてしまった私は、陣痛が来たら今度は「うぉぉぉ〜〜。う〜〜〜う〜〜〜。痛いよぉ〜〜〜」といううなり声をあげる方法を選択。しかし、それだって痛いのは一緒。くすん。

しかし、あとから出産に関する本をよーく読んでみたら、ラマーズって詐欺師では?というぱたの意見は、新発見でも何でもなくて、「ラマーズ法は、呼吸法によって痛みが和らぐというわけではなく、ヒッヒッフ〜という特別な呼吸をするという“痛み以外に集中できる何かがある”という状態を作ることで、痛みから気をそらし、陣痛を乗り切りやすくするというものである」という解説がちゃんとありました。

つ、つまり、陣痛乗り切りというのは、「なるべく“陣痛”から気をそらせないとダメ」って事だったのですなあ。私ってば、間隔計るとかいって陣痛がいらっしゃるのをドキドキして待って、来たら来たで「来た来た来たよ〜!どのくらい続くんじゃぁ?うう、この痛みって産んだら忘れちゃうらしいから、後からぱたのたまごを書くときのためにシッカリ覚えとかにゃ〜!」って、痛みにものすごい神経集中してたんすよね。そりゃのたうち回るほど痛いのも当たり前。

しかし、その時の私はそんなことを知る由もなく、「ラマーズの奴め!くっそ〜!後でひどい目に遭わせてやる!」と思いながら布団で唸っておりました……

さて、そうやって陣痛をこらえて一睡も出来ないまま8時間半が過ぎようかという、外でスズメやらカラスやらが「おはよう!今日も気持ちのいい朝だね!」と鳴いているころ。もうぱたはすっかりヨレヨレで、夜中に多大な犠牲を払ってせっかくシャワーを浴びたというのに汗びっしょり、パジャマはシワシワ(のたうち回ったため)、髪はめちゃくちゃという状態で、情けない声で「ううううう〜〜〜〜ん。ああああ〜〜ん。」と唸りまくっているところを、朝起きたあれっくすに発見されました。

「どしたん?」←あれっくす。

「じ、陣痛が……今度こそ本当かも……」←息も絶え絶えのぱた

「またまた〜。僕シャワー浴びてくるから、間隔計っときなよ♪」←あれっくす

「か、間隔は……7分……ああああ〜〜!!うぅぅぅ〜〜!!」←陣痛がやって来て喋れなくなったぱた

「7分?だったらまだじゃない?こないだも5分でまだって言われたしさ。今何時?まだ8時半かぁ、早いからもうちょっと待ってから病院に電話しようか、朝御飯食べといでよ」←あくまでも能天気なあれっくす。

(あ、朝御飯……?そんなもの食えるか……)←引き続き陣痛中なので心の中で思うだけのぱた。

「じゃ♪」←シャワーを浴びに行くあれっくす。

という訳で、とりあえずあれっくすには陣痛が始まったことを伝えた(?)ぱたは、陣痛が引いた隙を狙ってはいずってリビングに行き、ぱた母に陣痛が来たことを報告に。

ぱた母は、私の状況を見て「あら、そんなに痛いの?立てないの?今度はホントかしら。」と反応。ううう、やはり経験者はありがたい……と思っていると「じゃ、今のうちにご飯食べとく?おみそ汁と卵焼きやいてあるけど」だそうで……

だから食べるどころじゃないっちゅーの!私の陣痛は昨日の12時から始まってるんだからっ!さっき始まったんじゃないんだしねっ!

なんて思ったんですが、今まで2回とも病院行く前は「病院行ったら食べられないらしいから、今のうちにシッカリ食べとくよ」なんて言って、ニセモノ陣痛の合間にご飯食べてたんですよね。やっぱりそういう前例が2回もあるから、そりゃあれっくすもぱた母も「ご飯食べる?」ってぱたに聞くのは自然な流れっちゅーか……

で、パジャマのまま「うぅぅぅ〜〜。」とうなりながら床にうずくまり、聞かれたことに返事も出来ないぱたの姿を見て、あれっくすもぱた母も「ありゃ、今度はホントにホントかも」と理解してくれたようで、あれっくすが病院に電話をしてくれた。

そしたら「でしたら、あと1時間くらい様子を見て(←この期に及んでまたこれかい……しかし、私は前科者なのでこう言われてもしょうがないのかも)、陣痛が定期的に来ていて、痛みが強くなるようでしたら来て下さい」と言われたとのこと。えええ〜!あと1時間もこれ我慢しろってか??と思うが、反論の声も出ないぱた。

そういや、前の2回の入院は、どっちも自分で電話して「あの〜♪なんか陣痛始まったみたいなんですけど、もう行っていいですかぁ〜?」って聞いたんだよなあ……しかし、陣痛を耐えてる途中だったらそんなことすらできんわ!と気が付き、またもや看護婦さんの「本当の陣痛なら口も聞けない」に深く同意してしまうのでした。

そして、朝10時すぎ、朝御飯はもちろん食べられないまま病院に行くことになったのですが、もうあまりの痛さで息が詰まりそうで、着替えることすら出来ませぬ。シャワーを浴びた後、変なスエットみたいなパジャマを着ていたのですが、どうしても着替えるパワーが出ない。っていうか、着替えるために立ち上がることすら出来ない。

何度も繰り返しますが、過去2回の入院の時は、「退院の時にも着れるような服を着てっと♪あ、メークはしてもしょうがないけど、眉毛だけは描いて……あと口紅もぬっとこ」なんて感じだったんすよ。いやー、本当の陣痛ではそんなことホントに出来ませんでしたわ。はい。←しかし、眉毛だけはあの陣痛の合間を縫ってシッカリ描いた……ぱたにとって、眉毛を描かずに外に出るのは、全裸で外に出るに等しいのであります。

そして、あれっくすに支えてもらって車に乗り込み、3度目の正直!病院に向かうぱたでありました。

2月4日 午前10時30分ごろ。

さて、もう目から火が出るくらいの痛みを堪えながら病院に向かう車の中、あれっくすがしきりに

「ヒッヒッフ〜、は?ほら、あの呼吸やりなよ!痛くなくなるから。ほら、僕も一緒にやるから、ヒッヒッフ〜!ね?ヒッヒッフ〜!ほらぁ!」

って言うんですよ。うんうん、今思えばあれっくすも一生懸命私を力づけようとしていたのね、そりゃ「痛いよー痛いよー」って言う人の横で、どうしてあげることも出来ない立場に立たされるのが一番困るってのはよーく分かるわ〜。といえるんですけど、その時は非常時ですからね。いつもは温厚で寛大なぱた(笑)も、死ぬほど痛い目に遭ってるっちゅーにそんなことを横でごちゃごちゃ言われても知るか!うるさいわ!っていう心境です。

あんたはいいわよあんたは!いくら寝不足だろうが疲れてようが、こんなに痛い思いしないで済むんだもん!という、出産を目前に控えた女性がかならず夫(や周囲の人)に思うであろう様なセリフが頭の中でぐるぐるまわっています。

なのにあれっくすは「ほらー、ヒッヒッフ!ね?」としつこい。そのうち頭の中は、

この痛みを知りもしないあれっくすが偉そうに私に意見すんじゃね〜!ヒッヒッフ〜、だぁ?騙されてるんだよ、みんな!大体ラマーズって男だろう、そんなやつに「陣痛の痛みが和らぎます」って何で断言できるんだよ、経験したのかオノレぇ?

等と、放出することの出来ない怒りが、最後はラマーズ医師に向かって再燃までしました。

しかし、あれっくすの熱意に負けて、ちょっとだけ「ヒッヒッフ〜」とやってみたんですが、ぱたの思考の根底にはラマーズに対する不信感が脈々と流れているため、やっぱり「全然痛さに変わりはないわ!」としか思えず、さらに大真面目にそんな呼吸法をしてる自分の姿を客観的に観察している、こんなに非常時なのに変に冷静なもう一人の自分もいたりして、「今のワタシって、めちゃマヌケ?」と思ったりもしたのでした。

で、病院に到着。今までは病院に到着したら

「出産に来たんですが、産科はどこですか?ははぁ、3階。そこのエレベーターで行けるんですか?分かりました、あ、歩けますから大丈夫です、車イスはいりませんから」

なんて言って自分で受付まで行ってたんですが、もうそんな事が出来るはずもないって感じで、「しゅ、出産に来たんですが……ううっ……」といって車から転がり落ちるような状態です。車寄せにいる病院の人が、慌てて車イスを私のために用意して載せてくれたからよかったモノの、誰も助けてくれなかったら病院の玄関のところで倒れていたに違いありません。

そして、受付。あれっくすに車イスを押してもらいながら、何度も行った(笑)受付に行きまして、「昨日も来たぱたですけど、今度はとうとう本当の陣痛が来ました」とあれっくすに言ってもらいました。←ホントに口もきけん状態のぱた。この時陣痛は約5分間隔、陣痛と陣痛の間も余韻のように苦しくてとにかく息つく暇もなく痛い私。

そして、昨日書いたのとまた同じ受付用紙に、あれっくすに書き込んでもらいまして(昨日は自分でちゃんちゃんと書いたため、書かないといけない事項は覚えていたので、あれっくすに口で「ここはなになに」と指示できるほど)、「ハイ、最後にサインして」と言われてヨレヨレと自分でも読めないようなサインをし、腕に新しい腕輪をつけてもらい(ちなみにあれっくすもつけてもらっていた)、「さ、このまま検査室に行きますから」と車イスを看護婦さんに押されて検査室にゴー。

午前11時10分。

検査室は、3度目ですので「はぁーい、また来ました〜」状態です。ここの病院は、広い部屋の一方にナースが溜まっているブースがあり、その横にベッドが並んでいる小部屋というか、しきりのあるスペースがあり、カーテンで仕切れて出入りできるようになっているところが検査室なのですが、検査室のベッドに案内されるときにナースさん達の横を通るんですよね。そこで、昨日の夕方私の検査をしてくれて「まだ本当の陣痛は始まってないから、お家に帰りなさい」と通告した看護婦さんがいるのを発見、「はろ〜」と力なく挨拶をしてしまった私でした。

で、案内されたベッドのところで「ちょっと待っててね。すぐ戻ってきますから。ベッドに横になってていいわよ」と言われてしばし待たされたんですが、とにかく陣痛の波に乗りに乗りまくっているぱた、ベッドに横になるなんていう高級な動きがまったく出来ず、ベッドの横にしゃがみ込んで、「ううううう〜。あああああ〜。ヒッヒッフー(←ちょっとやってみたりして)。あああ〜」なんてやってたんですが、その陣痛が去った後、例の昨日の看護婦さんが私の方を見ながら同僚の看護婦さんと「ああ、あれだったらあの子も今日出産になるわね。いやー、あの子ねえ、昨日も来てたのよぉ」と話しているのが聞こえてしまいました。ヤハリ「慌て者の困ったちゃん」トオモワレテマシタカ……

で、別の看護婦さんが登場してきて、「このあと検査をしますから、服を脱いでベッドの上に上がっていて下さい。」とのこと。なので、あれっくすに脱いだ服(パジャマ……)を持ってもらって、病院支給のうわっぱりみたいな変なガウンみたいなのを着る。しかしこのガウン、後ろ合わせなので、前から見る分はいいですが、後ろから見ると背中とかお尻とか丸見え。しかもサイズが妙に大きすぎてヘン。でもまあ、そんなことには構っておられませんから陣痛の合間を見計らってさっさと着込みまして、ベッドによじ登りました。

しかし、アメリカの検査ベッドってみょーに高いんですよ。横に立ったときに、だいたいおへそからみぞおちくらいの高さなんです。丁度医師やら看護婦やらがイロイロするときに、立ったままうまく診察やら検査やらできるような高さなんでしょうけど、だから、よじ登るのが大変。産科のいつもの検診の時はお腹が大きいとはいえ通常の状態なので、高いベッドでも登れますけど、こういう非常時には力がまったく入らなくてとても登りづらい。看護婦さんとあれっくすに支えてもらってやっと所定の位置に横になることが出来るという感じ。

で、横になったら、また例のモニターをつけられます。今度は「本当の陣痛」であると信じているので、「いらっしゃ〜い。モニターでもなんでもたんとおつけ〜!」と自信たっぷり。やはり、モニターをつけると陣痛は大きな山で来ていて、間隔も4分くらいになっているように見えた私、「ほーらね!本当でしょ〜!」と昨日のナースの方を見てやりたい気持ちにかられたりして。←昨日のナースもそんなことを言われても「だから?」って感じでしょうが……

さっさと子宮口をチェックして分娩室に連れていかんかい!と心は焦るのですが、検査担当の看護婦さんは妙にゆっくりと「では、これから確認の質問をして行きますから」なんて言いやがる。最初は「陣痛が始まったのはいつですか?」とか「最後に食事をしたのは何時ですか?」とか、「アスピリンにアレルギーはありますか?」とか、真っ当な質問だったんですが、そのうち「最後に受けたMMRの予防接種はいつですか?」とか聞きやがるんですよ。

そんなねえ!陣痛の最中にいて苦しんでいる人にそういう難しいこと聞かんでくれよ〜!ってな心境です。陣痛の合間に何とか答えるものの、しょっちゅう陣痛が来るんでそのたびにしばし待つことになり、ものすごい時間が掛かります。それに質問の量がめっちゃ多いでやんの。

大体、これらの質問は、この病院で産むと決ってレジストレーションの紙を送ったときに、同じ質問に答えた紙を同封したはずなんですよ。それをちゃんと読んで事前にデータ打ち込んどかんかい!って思うんですけどね、仕事が丁寧で責任感の強い日本人の私としては。アメリカ人からすると、そんなの事前にしとくなんて面倒くさい、その時になって本人に聞いたほうが楽、なのかも知れんですが。

「家族に心臓疾患の病歴はありますか〜?」「ハイ、あります……」「それは誰ですか?」「母、方の……ううう」「あら、陣痛?じゃちょっと待ってるわね」「……伯母です……」「それから?」「……私も心雑音があるってことで……去年心臓科に……ううう」「あら、あなた本人が心臓科に掛かったの。掛かったドクターの名前はぁ〜?」「ド、ド、ドクター……だれだっけ。マック?マッケンドル?マッケンドリック?」「スペルは分かる?」「……前に送った紙に書いたんですけど……うう……」ってな感じで、遅々として進みません。

大体、最後に受けたなんとかの予防接種がいつかとか、そういうことは普通そらで覚えるもんでもないし、普通の状態ならまだしも、こんな緊急時に思い出そうと思っても思い出せない。あと、○○に抗体があるかとか、××に掛かったことがあるかとか、聞き覚えのない英単語を出されても、そもそもその病名からしてわからん。聞かれると思って、英語の病名もSTD(性病)関係とか、B型肝炎とか、そういうのは覚えてきてはいたけど、予習してないのを突然出されるからな〜……(心は中学生の期末試験)

ちょっと日本語が出来るはずのあれっくすだって医療用語がわかるはずもなく、私が分からない顔をしていても「コノ病気は、苦シイ咳ガ出マスネ」とかその辺のフォローしかできんし。そんな状態で「喘息のことか?」と誤解して(後日、辞書をくってそれが「百日ぜき」だと判明)、「掛かったことはないです」とか適当な答えを言ってしまった私ですが、後で医療ミスがあったときに「あの時適当に言ったあなたのせいだ」とか言われちゃうんだろうな……

しかし、あれっくすはこの病院の看護婦さんに「あら、この人ってこんな難しい医療用語を日本語に通訳できるんだわ。出来る男。」なんて尊敬されたんだろうな……チクショー、私の英語の方が彼の日本語よりも上なのにぃぃぃ。悔しい。

それから「母乳育児をしますか」というのも聞かれました。「乳が出るなら母乳育児してみたいですが……」とあやふやな答え方をしたんですが、「では、母乳育児希望ですね?」と念を押され「はぁ」と答えてみました。産む前から(しかも乳が出るかどうか分かる前から)どっちにするか決めないといけないとは……と妙にその質問が印象に残っていたぱた(後で何でそれを聞かれたかが判明しますが)。

で、ようやっと質問が終わり、「では子宮口の確認をしますねー」ということに。やっとか!という思いにお股を全開にして待つ私。あああ、最初の頃は内診がイヤだわ……恥ずかしい……とか思ってたっちゅーに、妊婦に恥じらいは禁物っすね。

そしてごそごそとチェックをしてくれた看護婦さんが「あらまあ。もう4センチと半分くらい開いてますよ。これはすぐに分娩室に行くことになりますね。ドクターに連絡してきます」というではないですか。そうかそうか、こうやって12時間近く苦しんでいる間に半分ほど開いたのか、とぱたは嬉しさに打ち震えます。←しかし、勿論4分間隔くらいで「ううう〜痛い〜あれっくす、腰押して〜」と繰り返しているんですけどね。

戻ってきた看護婦さんが「今日の分娩担当は、ハンサム先生(←あ、勿論その時はナースはドクターの名前を言ったんですが)です。ハンサム先生は今日の午後5時までここの病院に詰めていらして、5時以降は奥さん先生がいらっしゃいます。5時前に分娩になればハンサム先生に取り上げてもらうことになると思います」とのこと。

うっひゃー。初診もハンサム先生だったし、お股を見せたのもハンサム先生が一番多いし、分娩もハンサム先生か〜!あの先生にストーカーか?と思われないといいが、と、とんちんかんなことを思いつつ、何となくあの先生に当たる気がしてたんだよなーと思う私。

あれっくすは「あの先生は、何だかほにょーっとしてる感じでなんとなくイヤだ」とか言ってたんですよね。同じクリニックに通っているJunjunも、「ぱたの言ってるあのハンサム先生って、ハンサム?私あんまり好みじゃないし、なんか頼りなさそう」とか言ってたんですよ。まあ、私もあの先生ってばちょっと気弱そうな感じがするな(ERのカーター先生のような、というか……)というのは否めないところですけど、私はわりと好きなんですよねえ。だから、あの先生に当たると知ってちょっと嬉しかったりして。

そして、看護婦さんが続けて「ドクターは、もし希望があれば今すぐに麻酔を打ってもいいと言っていますが、ぱたさんは麻酔を打ちますか?それとも自然分娩にしますか?」との質問。私の答えは、質問をみなまで聞くまでもなく、

もちろん今すぐ!一刻も早く!打ってください。

でした。

さて、検査室から分娩室に移ることに。分娩室というのは、日本で言うところの陣痛室も兼ねていまして、まず入院するとそこに運ばれるんですが、ぱっと見は普通のホテルの部屋(モチ個室)みたいになってるんですよ。ベッドも普通のベッドみたいに見えるし。で、分娩がおわるまでそこでゆったり過ごすことが出来るんですよね。しかし、クローゼットや棚、あちらやこちらに医療器具(ライトとか、モニターとかそういうの)が隠されていまして、いよいよ赤ちゃんが生まれるとなるとあっというまにベッドは分娩台に早変わり、隠されていた医療器具も続々出て来る、という感じ。

看護婦さんに「分娩室はすぐそこだから歩いていけますよね?」と聞かれ、うっかり「ハイ」と言ってしまったぱた、歩いてその部屋まで行く事になりました。健常体ならば、ホントに歩いて5秒の場所かも知れませんが、絶え間なしの陣痛に苦しめられているぱたにとって、その「すぐそこ」は異常に遠く、さらに襲い来る陣痛で「あああ〜」と立ち止まって手すりにもたれたりうずくまったりしているせいで、歩いててもちっとも前に進んでいる気がしません。まさに「さ〜んぽ進んで、二歩下がる」

「ううう〜、やっぱり車イス持ってきて下さい……」と訴えるぱたに「でもね、ホントにすぐそこだから、今から車イス持ってくるよりも歩いたほうが早いわよ」って……早くても遅くてもいいから車イス〜と思いましたが、「すぐそこ」に騙されてまた力なく歩きだす私。

心の中は「麻酔〜。早く麻酔打ってくれ〜、ヤク〜。」でいっぱい。この遠い道程は麻酔への滑走路なのだ、と自分を叱咤激励。

おかげでやっと分娩室に付いたときは、「そのベッドに寝て下さい」なんて言われる前に、その部屋の窓際にあるベッドを見つけて倒れ込んでしまいました。そのベッドは検査ベッドと違って普通のベッドのように低くなっていて、倒れ込みやすかったです。

その部屋には貫録のあるおばあちゃんナースが待ち受けておりまして「あなたがぱたさんね?私が今日、あなたのお産を担当します。何かあったら何でも私に言って下さいね」とのこと。喋り方がドスが利いていて、なかなかハードコアであります。ここまで案内してくれた検査のナースは「では私はこれで」と去っていきます。どうやらこのおばあちゃんが、チビぱたの「取り上げ婆(←失礼)」になってくれるようであります。

そこで「寒いんですー」(←例のガウン、背中からケツから全開で、歩いてこの部屋に来る間に何だか寒くなってしまったのだ。しっかし、今思えば歩いている間中、後ろを歩いてる人に私の間抜けな半裸を見せていたのね……)と言ってみたところ、暖めたブランケットをいっぱい掛けてくれる取り上げ婆。容貌と喋り方は怖いけど、とっても優しいです。

「テレビ見たかったら見ていいわよ」と言われて、まくら元にテレビのリモコンをおいてもらいましたが(そう、分娩室にテレビがあるんですよー)、テレビを見るなんて想像もつかない状態でした、ぱたは。陣痛に耐えながらテレビ見る人も多いのか?しかし、陣痛中には何を見るのが適切なんでしょうかねー、ジェリー・スプリンガーなんか見てたらすごい子が生まれてきそう……

そして、おばあちゃんナースがベッドの頭側にある棚を開けるとコンピュータとモニターがでてきまして、サイドテーブルみたいなところを引きだすと、今度はグラフがプリントされて吐きだされる機械が出てきました。うぉー、すげえ。と思って見ていると、例のモニターの機械をふたつ、腹に付けられました。そう、検査室にあった機械と同じで、また陣痛の山と胎児の心音を確認するわけです。

おばあちゃんナースに「こっちが陣痛で、こっちが胎児の心音ね。この1マスが一分なの」と教えてもらうぱたとあれっくす。しかし、ぱたはしきりに「うー!くっくっく〜」と陣痛に耐えないといけないため、聞きたかった説明を聞きのがしたりもした……私が陣痛を堪えているときに、私が今まさに耐えている陣痛を肴に「陣痛の山がここを越えるとかなり痛い」とか、「このくらいの高さだと余り強い陣痛じゃない」とかあれっくすは教えてもらったそうです。

そして「それじゃあ点滴を取り付けます」とおばあちゃんナースに言われました。そうか点滴か。麻酔を打つ人は点滴をつけられるんだよなあ、確か(←麻酔をしない人でも付けるのかも知れないが、よく知らない……)と思って左腕を出しました。さしあたり体に入れる液体は、ブドウ糖溶液かなんからしく、「今は何も入れる必要がないから、特に薬は入っていませんが、これから必要になったらここから薬を投入しますので、そのために点滴を取り付けるんですよ」の説明が最初にありました。

私のイメージで言う「点滴」って言うのは、血管にながーいチューブ付きの針を刺して、その針をテープで固定して……だったんですが、この時打った点滴は

と言うものでした。暴れても針が抜けたり血管を突き破ったりしないようにそういうのをするのかも知れませんが、あんなに太いチューブを手首に埋め込むとは知らなかったため、点滴を打ってるとこをを見ていた私は、気を失いそうに。それに、皮膚麻酔を掛けたはずなんだけど、手首がすごーい痛い気がして(そんな、刺してるトコを凝視するからだよな……)、白いチューブが皮膚に埋め込まれているその場所を見ているうちにクラクラしてきて「早くそこをテープで止めて、私の視界から隠して……」と切に願いました。

ってわけで点滴は準備完了。

「ぱたさん、あなたトイレに行っときたくない?」と聞かれ、「いえ、別に……それよりも陣痛がしょっちゅくるのでそんな余裕が……」と答えた私ですが、「麻酔打っちゃうとトイレ出来なくなるから、したかったら今のうちよ」とのこと。しかし、どうしてもベッドから下りる気がせず、ヒモ付きでわざわざトイレに行くほどおしっこしたい緊急事態でもなかったので「いいです」と言ってしまいました(どうせなら、点滴打つ前に言って欲しかった……)。

午後12時30分。

そうこうして何度も陣痛に耐えていたところ(ラマーズの野郎に騙されているのは分かっていたが、おばあちゃんナースの手前があったので“ヒッヒッフ〜”をやっていたぱた……だって「呼吸法は?チャイルドバースクラスに行ったんでしょ?忘れちゃったの?ほら、ダンナさんと一緒にやりなさい!!」とかって怖いんだもん……)、シャワーキャップをかぶった間抜けな男の人が、同じくシャワーキャップをかぶった女性を二人引き連れて登場してきました。

何じゃあ、昼間の病室でそのけったいな頭は!と思って見ていると、そのシャワーキャップ男は「初めまして、僕は麻酔医のドクターなんとかです。この二人はインターンです。ぱたさんが麻酔を希望されているということでしたので来ました」と握手を求めてきました。

同じくシャワーキャップを着用しているインターンのお二人は、教育の一環で連れてきたとのこと、麻酔を打つところを見せて下さいね、と了解を取られる。別に見せても減るもんじゃナシ、どうぞどうぞと言っておく私。

それにしても、シャワーキャップが気になる。髪の毛が落ちないようにするだけならば、もっとなんちゅーか、見栄えのいいキャップをかぶることは出来んのか?なんて思っちゃうし……。それよりもなによりも、分娩室にいるみながキャップをかぶらないといけない、ならわかるんですけどね、間抜けなキャップをかぶってるのは麻酔医さんたちだけで、他のドクターもナースもキャップなんかかぶってないし、手術着みたいな服も着てないんですよ。大体あれっくすなんて、そのまま外で着てた服のまま私の横にいるし。そもそも、麻酔をされる私本人が、貞子のようなザンバラ髪をそのまま振り乱してるんですよ?だから、「衛生上の理由などで、分娩室に入るためにはマヌケだけどこれを着用しないといけない」というわけでもなさそうだし……

アメリカでは、麻酔医って普通にドクターになった後、専門の教育を更に受けて訓練して、何やらの資格を取って初めてなれるそうで、医師の中でも「高度に訓練された専門家」という地位にいるそうですが、仕事の時にあんなに間抜けなシャワーキャップをかぶらないといけないとは辛いところですね。どう見てもカッコよくないっす。

……いやいやいや。そう思うのは素人だけで、医療従事者業界では、あのシャワーキャップが恰好良いんでしょうかねえ?あれをかぶってると「わぁ、麻酔医だわ」「素敵……」「私もいつかなりたいわ!」なのだろうか……

さて、麻酔開始です。麻酔は硬膜外麻酔で、「背骨の下の方、尾てい骨の10〜15センチくらい上の腰辺りに針を差して、硬膜外に達したらそこまで管を通し(つまり、私の手首に付いてる点滴と同じようにするのかな?)そのまま管を背中に固定して、点滴の方式で麻酔を入れる」というものです。

チャイルドバースクラスでそういう説明を事前に聞いて、「背骨に針を刺すんかぁ?(ちょっと想像してみる)ぐぉぉぉ〜。痛そう!」「なんか怖そうだから、麻酔なんて辞めたほうがいいんじゃないの。ぎりぎりまで麻酔ナシで我慢してみなよ(←これはあれっくすが言っていた)」なんて思っていたんですわ。同じくチャイルドバースクラスに出席していた人も、一様に「せ、背中に針ぃ〜?!」ってびびってましたし、おそらく、無痛分娩を試してみたいけど、なんか背骨に向かって針なんぞを刺すのが怖い……痛そう……って思って心配している人も多いんじゃないでしょうかね。私もそう思ってましたし。

しかし、実際ですねえ、陣痛のあのとてつもない痛みを長時間我慢していたら、「背中に針を刺せばこれがラクになるのなら、今すぐ何本でも刺してくれ〜!」っていう心境になりましたわ。陣痛って、どの妊娠本にも「痛いです」って書いてあって、更に先輩のみなに「痛いよー、すごい痛いよー、ほんとにねー」といくら聞いていて覚悟していても、実際その場になったときは「聞きしに勝る痛み」なんですよね。だから、陣痛の痛みを知る前は「背中に針を刺すなんておっそろしいことをするくらいなら、陣痛を我慢するほうがマシかも」と思ってたんですが、その場になってみたら「針でもなんでもやってくれ、早くこの陣痛から私を解放して」になってしまいました。

ってわけで、シャワーキャップ男、もとい麻酔医に「本当に麻酔打っていいですね?」と言われたときは「ハイ!ずっとあなたを待ってたんです!はやく、はやくぅ」というセリフが涙ながらに出たぱたでありました。

で、「ではベッドに横向きに座ってこちらに背中を向けるようにして下さい」と麻酔医に言われ、おとなしく起き上がってベッドに座りました。しかし、折あしくまた陣痛が来ちゃって、「うぅぅぅ〜」とベッドから転げ落ちそうに。おばあちゃんナースがハッシと私の肩を支えてくれたので落ちなかったけど、不安定な姿勢で陣痛が更に痛い気がして息もできません。なのにドクターは「まっすぐ座ってくださーい!」と私に声をかける……すると「ドクター、今彼女陣痛が来てるみたいなので、ちょっと待ってあげて下さい」と、おばあちゃんナースが私の気持ちを代弁してくれます。うう、さすが長いキャリアを誇るおばあちゃんナース、素晴らしいフォロー。

その間、どうやらベッドの上にマットを敷いたり、布で被ったりなどの麻酔の準備をしていたらしいんですよね。しかし、私の背後でやられていたので、私はドクターがごそごそしてる気配しかわからず、後ろで何が展開しているのかは全く見えません。っていうか、例え後ろで拷問道具を準備していたとしても、陣痛を耐えているあの時の私にとっては、全く気にならなかったんでしょうけど……

そして陣痛が去った後、「背中を消毒しますね。全部で三回消毒します。冷たいと思いますが我慢して下さいね」と声を掛けられて、腰の辺りに大きく水?のようなもの?アルコールか?を掛けられて、ぐりぐり拭かれました。

「では、麻酔を打ちますから、ちょっと前かがみに背中を丸めて下さい」の声が掛かります。なのにまた陣痛が。「ああああ〜」と唸ると、すかさずおばあちゃんナースが「彼女陣痛が来ました。ちょっと待って下さい」とドクターに代りに言ってくれます。そして私に「ぱたさん。この陣痛がおそらく痛いと感じる最後の陣痛ですよ。頑張って下さいね。次の陣痛は麻酔できっと感じなくなりますから、これを堪えたら終わりですよ」と力づけてくれました。そんなふうに言われて、今までずっと我慢していた私も「ほんと?これで終わり?ほんとに?嘘じゃないよね??あああ、痛いよー、痛いよー」と本音が出てしまったです。

しかし、麻酔を打つまでの間、私はナースに抱きすくめられて「大丈夫、頑張って」って力づけてもらってたんですが、その間あれっくすは何をしてるんだか考える余裕もありませんでした。普通こういうときにサポートするのはオットの役かと思ってたんですけど(チャイルドバースクラスのビデオでは、夫が力づけているシーンがよく写っていたので)、実際はやっぱり何が起ってるか良く分かっていて、どういうふうに力づけたらいいかを豊かな経験から知っているナースになっちゃうんですよね。←それに私と同じくらい初心者で男のあれっくすに力づけられても、全然心強くないであろう……

実は、この時あれっくすは見学に来ていた麻酔医のインターンの二人と話していたそうですわ。あんたは、妻が苦しんでるってのに若い女の子二人とお喋りしてただぁ?ってな感じですが(笑)麻酔医になるにはどういうコースを取るのかとか、どのくらい訓練したらなれるのかとか、なんかそういう話をしたらしい(←だから、前に書いた麻酔医になるには特別な訓練が必要とかそういう情報をぱたは得ることが出来たのでした)。それならばシャワーキャップのこともついでに聞いて欲しかったかも(笑)。

そして陣痛が去った後、麻酔医に「では刺しまーす。」と言われました。「あああー!ついにやられるのね〜。やっぱり痛いよね……」と緊張する私の背中に、ドクターが針を刺したようなんですが。

これがですね。全然針刺した痛みを感じなかったです。刺してる間中「足がしびれたり、痛みを感じたり、何かおかしいと思ったらすぐに声を掛けて下さい」なんてドクターがごちゃごちゃ言ってるんですが、「え?今刺してるの?ほんと?それともまだ刺してない??」とか思っているうちに、「はいおわりましたー。これからチューブを背中にテープで固定しますから、背中をまっすぐ伸ばして下さい」と言われてしまいました。

大体、刺す場所が背中ですから、私からは見えないんですよね。だから、いつ刺したのか、痛かったのか、なんだったのか分からないままに背中にテープをぺたぺた貼られ、「ハイ横になっていいですよ。横になるときは、チューブがあるので仰向けにならないで、横向けで寝て下さい」と言われてしまったわけです。なんだ〜〜!こんなに簡単なことだったのか?だったらあんなにびびる必要なかったじゃーん。と心の中で叫ぶ私でした。ハッキリ言って、手首に付けた点滴の方が痛くてコワかったっスよ。

確かに先に出産した同僚にも「麻酔なんて説明で聞くほど怖いものじゃないし、痛くないよ」とか言われましたし、はるちゃんにも「怖く聞こえるけど、打つ場所が背中だから、自分では見えないから全然平気」とか、「陣痛に比べれば何でもないことだよ」とか、ほんとに色々聞いてたんですが、やっぱりちょっとびびってたんですよね。でも、自分で体験して深く実感。みなが言う通り、何でもなかったです。

「うわー簡単にすんじゃったー」と思いながら横になると、肩のへんからほっそ〜〜いチューブが出てるのが見え、それが頭の上の何やらすごい機械に繋がっているのが見えました。その機械から麻酔液が出てきて、チューブを通って硬膜外に供給されるようです。機械にはダイヤルが付いていて、そのダイヤルで供給する量を調節できる模様。ドクターに「一応標準の量にしておきますから、麻酔が効いてないとか、逆に効きすぎて体が震えるとかしびれるということがあったら言って下さい」と言われました。

そして、おばあちゃんナースが言った通り、麻酔の後は陣痛を感じないんですわ。子宮がぎゅーっと縮むのは何となくおぼろにわかるんです。でもそれが痛くない。医療の進歩にぶらぼ〜!アメリカの医療にばんざーい!ってな感じです。

私は何だか周りがピンク色に感じられて、みょーにハイになってしまい(麻酔のせいでハイになったわけではなく、今まで脂汗を流していた痛みが消えた喜びが大きすぎて……)、「痛くないです!すごいぃ!気持ちいいぃ〜。ドクター、ありがとうございます!うわーすご〜!」と何度も言っていたそうですわ。あれっくすが取っていたメモに「ぱた、気持ちいい、すごい、と何度も麻酔医に繰り返す」と書いてありました。(←自分ではそんなに何度も言った記憶はないのだが……)

これね、麻酔を経験した人に話しを聞くと、この時ってホルモンの関係もあるのか、みょーに麻酔医に異常に感謝してしまうらしいです。友達の一人は「あなたは私のヒーローだわ!」と握手しまくったらしいし、同僚はダンナさんが横にいるってのに「私と結婚して!」と麻酔医に言ったらしい。

ちなみにその麻酔医は、同僚に「産科で麻酔の仕事をしていると、妊婦さんにプロポーズされることが多い」と言って笑っていたそうな。いやいや、プロポーズこそしませんでしたが、同僚の気持ちも良く分かった私でした……。役立たず(とその時は思っていた)のあれっくすよりも、マヌケ帽子をかぶっている麻酔医の方が輝いて見えまっせ……←小声で(笑)

しかし、麻酔を打った後の気分の良さと言ったら、「一生このままの状態でもいいわ〜。」でした。赤ちゃんを産むのがメインの目的だっちゅーのに、「あああ、この気持ちいい状態をちょっとでも長く持続したい……。まだ産みたくないよ〜」なんておもっとりました。

ナースに「今のうちに寝ておいたほうがいいと思うから、しばらく休んでなさい。分娩に備えて体力温存しとかないと」といわれたのですが、しかし、余りにも気分がいいので寝るのが勿体なく、「ぱたのたまごに書くために」とベッドから見える位置にある機械や装置なんかを油断なく観察する私でした。だって、こんな経験ってそうそうできないですよ。寝ちゃうなんて勿体ないじゃないですかねえ。

そこで知ったんですが、入院していたのが大病院だからか知りませんが、分娩室に入れ替わり立ち替わり、色んな人が来るんですよ。そのたびにイチイチ起こされるから、寝てられないじゃんとも思いましたが。

勿論、麻酔を打ってくれた麻酔医や彼に付いてきた二人のインターンさん達は、ちょこちょこと顔を出して「気分はどうですか?」なんて確認に来てました。麻酔は効かない(効きにくい)人もいるし、逆に効きすぎちゃう人もいるようで(たしか掲示板のスナフさんはそうでしたよね)、最初のうちは「麻酔はよく効いてますかー?」と、シャワーキャップを何度も見ました。ぱたは、「ばっちり効いてますぅー、麻酔最高〜。ほんとに感謝してますぅー」と異常なくらい喜びながら答え、ついでに「日本では無痛分娩はあんまり一般的じゃない」といったような話をしたりしました(←しかし「あら、日本はまだ麻酔をやる技術がないの?」という反応が帰ってきた……)。

麻酔を誉め称えるぱたに、麻酔医さん達は「いやいや、僕たちはお手伝いすることしか出来ないから」と妙に謙虚。それよりも、ハードコアのおばあちゃんナースのほうが「そうでしょう!ほんとにねえ、私もほとんどの妊婦さんに麻酔を勧めるのよぉ。やっぱり楽でしょぉ?麻酔はいいわよねえ。」と、まるで自分の功績かのように誇らしげに話しとりましたが。

麻酔医のほかには、この病院のインターンの先生達が30分間隔くらいでやって来ました。で、来るたびに別の先生でして、自己紹介して内診していってくれるんですな。それにしても、何人ものインターンの先生(どうでもいいが、どの先生もめちゃ若い……通常の精神状態ならば恥ずかしいんだろうが……)に次々と指を入れられてしまったぱたであります。くくぅ。しかし、麻酔であの辺りは感覚が鈍くなってるので、ぐりぐりぃ〜と指やら手やら入れられても、なんとも痛くも痒くもないわけで、さらに麻酔で気分が高揚している私は、「どうぞどうぞ見てやって下さい」な気分でした。

午後1時30分。

さて、二人目のインターンの先生が「あらまあ、もうあなたかなり開いてきてるわねえ。もうそろそろかしらね」なんていいながら内診していたのですが、それを聞いて私ってば「えええ!もう出しちゃうの?この楽しい気分はたった一時間ほどでお終い?い、嫌だ〜、まだ出したくないよ〜、もっと麻酔状態でいたいよ〜。このままにしてほっておいてぇ〜」とかなり真剣に思いました。

しかし、その「もうかなり開いている」情報をカルテに書かれてしまったようで、三人目に来たインターンの先生が「それでは、破水させますね〜。足を開いて下さい〜」と私に話し掛けてきました。

というわけで、破水から始まった人はともかく、私のように陣痛から始まった人は、自然に破水しない場合はどこかの時点でお股から棒を突っ込んで、羊水を包んでいる膜を破るんですな。そうすると、次のステージ(赤児が出てくる)に移行するわけです。つまり、

破水させる→お産が進行する。

というわけで。うわあ、やっぱり進行させられちゃうのか……と思い、観念してお股を広げます。三人目のインターンの先生は、ピンク色の編み棒(かぎ針)の長いのみたいな器具を出してきて、「これでつつきまーす」と言いながら棒を入れてたみたいなんですが。

「あら?あなたもう破水してるんじゃないの?つついても液体が出てこないわよ」というではありませんか。え?私破水してたの?いつ?全然気が付かなかったよ〜ってなもんです。

そこでドクターに「2日ほど前におしるしが出まして、陣痛が今日の真夜中に始まったので来ているんですけど……破水はしてないと思うんですが……」とおずおず言ってみたところ、「おしるしが来てから、おしっこのような液体がちょびちょび漏れてなかった?」と聞かれ、「えええ〜。そんなのがあったら分かると思うんだけどなあ……あ、そういえばおしるしが来た後すぐから、オリモノがちょっと多くなったので、生理のパッドを当ててたんですが。オリモノはアメ色でした。破水したら透明な液体が出ると思っていたんで、それは違うと思ってたんですけどね……」というと、インターンの先生は「きっとそれは、その時にもう破水してたんだと思います。でも量が少なかったので気が付かなかったのね」と一人納得しています。

えええ?2日も前から破水?なんじゃぁそりゃあ?

そのせいかどうか分かりませんが、1時間前に麻酔をうっても陣痛が弱くも間遠にもならなかったので、陣痛促進剤は打たないで大丈夫だろう、という話だったのに、いきなり「促進剤入れましょう。」なんて言われちゃいました。ナースは「ハイィ〜!」とばかりに、促進剤の準備をして、点滴の袋の横にぶら下げ、手首の点滴に繋がっている管を促進剤のほうのバッグに繋げたりしております。

さらにインターンの先生は「それにしても2日も前から破水してたなんて、胎児に感染症が出る可能性があるわね。小児科のドクターに連絡しておいたほうがいいわね……」などと不吉なことを言いながら部屋から出ていきました。

部屋にいるナースが慌ててハンサム先生に「ぱたさんって2日前から破水してるんじゃないかってインターンが言ってるんですけど、どうしましょう?」などと連絡を取っております(そう、私の分娩を担当するハンサム先生は、まだ登場してないんですよね……他のところで別のお仕事をしているのでしょう。忙しいねドクターは)。

しかし、私は本当にそうなのか?と疑問がいっぱい。だって、そのオリモノがあったときにも、クリニックに検診に行ってるんですよ?で、ハンサム先生の奥さんの、奥さん先生に診てもらって、それはオリモノだから心配いらないって言われてたんですけど……ってな感じです。

案の定、ハンサム先生は電話の向こうで「そんなはずはないから、大丈夫だってぱたさんに言っておいて下さい」と言っております。しかし、私の頭の中には「感染症……感染症……うー、もしあれが破水だったとして、私は破水した後に二回以上もノンビリお風呂に入ってたんですけど……マズイよね……」等の考えがぐるぐる。

午後2時30分。

また新しいインターンの先生がやって来て、「こんにちは、僕はドクター○○です」と自己紹介をし、カルテを読みます。それにしても、ほんと千客万来っちゅーか、たまたま私がこうやってインターンが沢山来るタイミング(暇だ、とか)に当たっただけなのか、この病院はこういう方針なのか分かりませんが、まぁ、沢山のドクターに会いました。その反面、分娩担当のハンサム先生はまだ来ないんですけど、って感じです。どうなっとるんじゃ。

で、そのインターンの先生はお股をごそごそと内診して、「じゃ、促進剤(オキシトシン)入れますか」と簡単に言って、ナースに早口で指示をして去っていきました。あ〜ん、どのくらい子宮口が開いてるかとか、さっきの破水の件はどうなってるのかとか、促進剤を今なんで入れるのかとか、説明聞きたかったのに、なんかあっちゅーまに出ていかれてしまい、質問するチャンスを逸してしまいました。このインターンの先生は、あんまりフレンドリーじゃなくて忙しそうにバタバタって入ってきて出ていっちゃったんですよねえ。うーん、こういう「促進剤を入れる」という大きな出来事(笑)のときに、口数が少なく忙しいドクターだと、ぱたのたまごに詳細レポートができんから困ります。

それにしても、こんなふうに別のドクターがドンドン来て、カルテ読んでドンドン処置していくとは思わんかったなぁ〜。てっきり、分娩担当のハンサム先生が最初っから最後まで付きっ切りかと思ってたのに。付きっ切りなのは、ナース(というか、助産婦さんですな)なのね。

でもって、こうやって促進剤を入れたら、すぐにお産が進行するのかと思いきや、特に今までと変わりなく、体調も別に変化なく、まったりとベッドで横になってリラックスしているぱた。おばあちゃんナースに聞いてみると「大丈夫、リラックスしていて下さい。その時が来たら分かりますから」ってな感じ。まだまだ、コトは緊迫していない模様。

そこで、おばあちゃんナース相手につれづれと話をする私。ちょっと興味があった事柄、「この後、どこかのタイミングで浣腸するんでしょうか?」を聞いてみました。すると、「浣腸?しないですよ?したいんですか?」と逆に聞かれてしまいました。

日本では、分娩の前に浣腸をして便を出しておく(そうすると、いきんだときにンコが出てこないし、浣腸の影響で産道が柔らかくなって分娩しやすくなる?なんていう効果があるそうですが……←たまごクラブに書いてあった)そうですが、ここでもするのかなーと思って聞いてみたところ、浣腸ってアメリカではどうやらあまりしないようです。産院によっては、ンコが出やすくなるようなオイルを事前に飲まされて、排便してから出産する場合(はるちゃんの所はそうだったらしい)もあるそうですが、この病院ではンコ関係は事前処理を一切しない模様です。

胎児と一緒に排便するのもキッツイですが、浣腸も嫌だし、オイル飲まされるってのもなんかしんどそうなので、産むときは胎児だけうまいこと出すように頑張ろうと思ってしまったぱたでした。

後半に続く


/ 妊娠二ヵ月 (発覚〜7週)/
/ 妊娠三ヵ月前半(8〜9週)/ 妊娠三ヵ月後半(10〜11週) /
/ 妊娠四ヵ月 (12〜15週)/
/ 妊娠五ヵ月前半(16〜17週) / 妊娠五ヵ月後半(18〜19週) /
/ 妊娠六ヵ月 前半(20〜21週)/ 妊娠六ヵ月後半(22〜23週) /
/ 妊娠七ヵ月前半(24〜25週) / 妊娠七ヵ月後半(26〜27週) /
/ 妊娠八ヵ月前半(28〜29週) / 妊娠八ヵ月後半(30〜31週) /
/ 妊娠九ヵ月前半(32〜33週) / 妊娠九ヵ月後半(34〜35週) /
/ 妊娠十ヵ月前半(36〜37週) / 妊娠十ヵ月後半(38〜40週+) /

/ 出産レポート前半 / 出産レポート後半 / 出産レポートその後 /
/ おまけ「無痛分娩について」 /