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ある朝、プレとイリーを寝室に戻そうとした。初めにプレ、次にイリー・・・ってイリーのケージの中にで何かがちらばっている。イリーではない。なんか1.5センチくらいのピンクい果物もしくは肉片のようなもの・・・なにこれ?気色悪う。と思いながらまじまじと近づいてみたら、もぞもぞと動いた。ぎゃ〜。
ををを、もぞもぞしている肉片が全部で6つ。いったいりゃなんだ?驚きに胸がバクバクしていると、イリーがさっさと巣穴から出てきて、その肉片をくわえて巣の中に戻っていったのです。
これって赤ちゃん?
ミィミィ
ミィ
ミィミィミィ
よく耳を澄ますと、ミィミィ聞こえる。あ、この音って、赤ちゃんの泣き声なのか?慌ててもっと良く見てみる。全体に真っ赤でまさに赤子だけど、うーん、しっぽがある。目になりそうな部分も分かる。と観察してる間に、さっさとイリーはすべての赤ちゃんを巣穴に戻してしまいました。どうやら赤ちゃんなのは確実のようです。
私たちは、まさかイリーが妊娠しているとは知らずに、かなり激しくイリーと遊んだ気が(しかも前日)。そうか、ここ数日イリーがやたらでかい巣を製作していたのは、このためだったのか。私は何も知らずに「ナニよこの巨大な巣。回し車が止まっちゃうじゃん」と作る端から破壊していたよ。ごめんよイリー。
思い起こせば、2週間ほど前、プレとイリーをつれてあれっくすの実家に遊びに行ったのだ。いつもはきっぱり離して飼っていて、遊ぶときも別々だったんだけど、なぜかあの時魔が差してしまい、プレとイリーを同じテーブルの上にのっけたのよね。初めは2匹ともよちよち歩き回ってたんだけど、プレがイリーを見つけたとたん、あっと言う間にイリーに馬乗りに・・・「おいおい、ちょっと待てえ」と2匹を引き離したのですよ。プレがイリーと愛をかわしたのは、時間にして4秒くらいだったはず。あんたそれで6匹も子供つくったんかいな。
私はハムスターの生殖能力に感動しましたね。これってすごい。プレはお父さんになったことなぞ当然知らないでしょうが、イリーは必死に授乳しているようだ。6匹いるので、かなり競争がはげしそう。イリーも休まる暇がなさそう。お乳をもらえない子ハムは激しく鳴いている。イリーは鳴いている子ハムにもお乳をやろうともぞもぞ動いている。
あれっくすもぱたもハムスターを増やしたのは初めてのことでもあるゆえ、どのような心構えが飼い主に求められるのかは良く分からなかったなりにも、ケージの中を掃除したり、やたらに赤ちゃんをかまうのは良くないであろう、とほっておきました。1週間ほどで子ハムたちは毛も生えそろい、2センチから3センチのミニチュアハムになりました。こうなったらもうOK?かしら、と早速遊ぶ。
か、かわゆい。足に力が入っていない。そんでもって突然の巨大動物の登場に完全におびえているようだ。あんまりいじるとかわいそうかと思い、そのくらいで勘弁してやる。
このころ、こいつらに名前を付けてやろう、と思い、一番大きい子ハムをQuincy(クェンシー:ちょうどそう思い立ったとき、テレビで同名の70年代探偵ものテレビドラマの再放送をしていたので、それにちなんで安易に命名)と名づけたのはよかったのですが、どれがどれだか良く分からない。というわけで、すべての子ハムをクェンシーと呼んでいました。いやあれですね、動物の赤ちゃんってのはかわいいもんですね。
ほんとは6匹とも飼いたかったのですが、そのとき私のビザ問題が勃発し、私はしばらく日本に帰国することに。生まれたハムを含め、私の飼っているハムはあれっくすの実家であずかってもらうことになってしまいました。このあと、私はクェンシーズに会うことはありませんでした。というのも、この6匹はケージの隙間から脱走するなどあれっくすのお母さんにさんざん迷惑を掛け、あげくの果てにケージが非常に狭く見えるほど大きく育ってきたので、あれっくすのお母さんはこの6匹をペット屋さんに上げてきてしまったのです。
移民局の壁に阻まれてアメリカに渡ることが出来ず、クェンシーズを守ることが出来なかったぱたは、「くそー、いつかまた繁殖させてやる」と胸に誓いました(いや、お母さんが悪いわけじゃないんですよ、この場合は私はいつアメリカに戻れるのか全然定かじゃなかったので、ペット屋に引き取ってもらったのはしょうがなかったわけです、誤解のないよう。責められるべきは移民局でしょう)。